SAO編
二十八話 第七十四層攻略中
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が、どうやら正式名称になっていたらしい。
しかも中佐とは、佐官と言う事は軍の中でもそれなりの実力の持ち主なのだろう。という事も考えないではないのだが、それ以前に階級付けまでしているとは、意外と凝っているのだろうか?
キリトも、礼儀程度に自身の名前と身分を明かす。
軽く頷くと、コ―バッツ中佐殿は突然こんな事を聞いてきた。
「君らはもうこの先も攻略しているのか?」
「……ああ、ボス部屋の手前まではマッピングしてある」
言い方が横柄な時点で既にこの人物にあまりいい印象を抱けなくなった俺だったが、この後続いた言葉は、俺にさらに悪い印象を与えた。
「うむ。ではそのマップデータを提供してもらいたい」
「…………」
何と言うか、流石に横柄過ぎやしないかと思う。
SAOの世界に置いて、情報は最大の武器だ。
まして未踏破層のマップデータともなれば、売る所に売ればかなりの金にすらなるものである。
それをさも当然だと言うがごとく「譲れ」とは……当然、納得のいかな言い草にクラインが反応し怒鳴る。が、
突然コ―バッツ中佐は顎を継いだしたかと思うと、演説の様な大声でしゃべりだした。
「我々は、君ら一般プレイヤーのために戦っている!」
「ために」とか言われても頼んだ覚えは無いし、倒したボスの数もマッピングしたマップの距離も俺達の方がずっと多いし長い。
そもそも軍が未踏破層に出て来たこと自体一年ぶりくらいなのだが……しかもまだ続けるらしい。
って言うか……
「諸君らが協力するのは当然の「うるせぇ。耳に響く」な……」
ギャーギャーとうるさいコ―バッツ中佐の言葉をさえぎって、俺は思わず声を上げてしまっていた。
言われたコ―バッツ中佐は一瞬呆けた様な顔をしたが直ぐに気分を害したように俺の事を睨みつける。だが、俺はそれをさらりと受け流してコ―バッ中佐が何か言うより先に喋り出す。
「中佐殿が何を言いたいかはよく分かった。マップデータはくれてやるからさっさとどっか行ってくれ。声が五月蠅くてかなわん。」
実を言うと俺は昨日ボス部屋の前まではたどり着いており、そこまでのマップデータはちゃんと持っている。
部屋を覗くと言う暴挙は犯していないが。
「貴様……「ほら、送ったぞ。早く受け取ったらどうだ」ぐ……」
有無も言わさずに俺はマップデータをコ―バッツ中佐に送信し、その後は片手をひらひらと振る。
それでもまだ何か言おうとするコ―バッツに、俺は駄目押しの一言を放った。
「それと中佐殿。勘違いしないでほしいんだが、此処は何時もあんたらがご立派な精神で他のプレイヤーを護って下さってる中間層じゃねぇ。此処にいる一人一人が、この最上層で自分の身を守れる程度には強いって事だけは分かっててくれよ」
「く……失礼する!」
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