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SAO─戦士達の物語
SAO編
二十八話 第七十四層攻略中
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日々攻略に励んでいる。

「あいっ変わらず愛層の無ぇ野郎だな、今日は珍しく二人か?」
「よく見ろ。三人だ。正確には二人と一人」
 俺がそう言うと、クラインはちょうど俺の影となって顔が見え辛くなっていたアスナの方へと目を凝らす。

「ほぉ、そりゃほんとに珍しい……な……?」
 瞬間、クラインのデータが……もとい思考が完全にフリーズした。
ちなみに言っておくが、このフリーズに関してナーヴギアやその他のデジタル的なことは一切関係ない。
 そんなことを思っている内、キリトが仲介となってクラインとアスナの紹介を始めた。
それに対し、アスナはちこりと頭を下げたが、未だにフリーズしたままであるクラインは全く反応なし。
キリトがイラついたように肘で脇腹をつつく。

「おい、何とか言え、ラグってんのか?」
 この「ラグってんのか?」と言うのは、此処がオンライゲームであると言う特徴から来る皮肉である。

 ナーヴギア以前のネット回線を使用するオンラインゲームには、一つのエリアに対しプレイヤーが集中する等の事態により、サーバー側の処理速度が追いつかず他のプレイヤーに比べて入力したコマンドが発動するのが遅くなったり、チャットの表示が遅くなる「ラグ」。またはサーバーから強制的に落ちてしまう「サバ落ち」等の不具合が発生する事があった。
 しかしながら、ナーヴギアや高性能エラーチェック&ゲームバランス調整システムである「カーディナルシステム」使用したSAOにはこの手のトラブルは殆ど無い。即ち、「起こらないはずのラグを起こしているのか?」と聞くのがこの皮肉なのである。

閑話休題

 聞かれたクラインはと言うと、突然頭地面に打ち付ける気なのかと思われるような勢いでお辞儀をする。

「こ、コンニチハ!クライントイウモノデス!二十四歳独s「余計な事言わんでよろしい」」
 訳のわからん事を口走ろうとした阿呆の台詞を途中で遮る、途端に風林火山メンバーも我先にと自己紹介を始めた。
えーい、むさ苦しい……
そう思い、苦笑しながらふとキリトの方を見ると、少々瞳に暗いものが見えたので声をかける。

「おい、キリト」
「あ、あぁ……まぁ、リーダの顔は別として、悪い連中じゃない事は保証──痛って!?」
 そこまで行った所でクラインに足を踏みつけられキリトは右足を跳ね上げた。
アスナは面白そうにクスクス笑い始め、俺はため息を突きながらまた苦笑する。

 その内、クラインが「どう言う事だ!?」といった様子で此方を睨んだので、面倒事が嫌な俺はキリトを指差して、

「あ、事情ならキリトに聞いてくれ。俺は知らん」
「ちょと、兄貴!?」
「キリト!どぉう言う事だぁ!?」
「おいクラインちょっと待て!兄貴!」
「自分で処理したまえ〜少年〜」

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