暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
SAO編
二十八話 第七十四層攻略中
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
めリョウは心を読まれたのかと相当に驚いたのだが、それがキリトに向けられた言葉なのだと理解し少々安堵する。

「い、いや、そんなことは……「嘘つけ」兄貴!」
 否定の言葉をさえぎると、結構な目で睨まれた。
もはや眼を読まずとも、キリトが何を言いたいかは分かる。「余計な事を言うな」と。
それよりも早く食おう早く食おうと、キリトが急かすのを見てかアスナは苦笑しながらバスケットを開く。

「へぇ……」
「おおぉ……」
 リョウとキリト(特にキリト)は感嘆の声を漏らす。
中に入っていたのは、丸いパンに焼いた肉やレタス(っぽい)等の野菜を挟んだサンドウィッチだった。
胡椒に近い感じのスパイスの香りが鼻腔を擽り食欲を増進させる。

 見ていると、いきなりキリトがそれを手に取り喰らい付いた。

「“いただきます”くらい言わんか阿呆」
「(ばくっ)(もぐもぐ)減ったから(ばくっ)」
「あー分かった分かった、呑み込んでから話せ。……それよか四つあるんだな。一個くれよ」
「図々しいって言うか……そこで“一口”って言わないのがリョウだよね……いいわ、私一個で良いから。何時でも作れるし」
「サンキュー。んじゃ、いただきます」
 自身で言った通りにしっかり挨拶してから、一口大きくかぶりつく。
咀嚼……嚥下……

「う……うまい……」
「こりゃ、うまいな」
 サンドウィッチからは、明らかに現実世界の某ハンバーガーチェーンの物とほぼ同じ味がした。
これは、流石に驚かざるを得ない……

 そんな事を思って思わず口から言葉が出るのを自覚しつつアスナの方を見てみると、キリトの方を見つめるその顔には歓喜と少々の安堵が浮かんでいる。おーおー可愛らしい事で。

 その後も、アスナが醤油やマヨネーズなんかを開発していた事に驚いたり、俺が同居人の特製ガトーショコラを振るまい、今度製作者に会わせてほしいとアスナが真剣な顔で言ったりするのをききながら、少し遅めのランチタイムは過ぎて行くのだった……
────

 アスナとキリトの会話を聞きつつ、これまたアスナの調合だと言う冷たいお茶を飲んでいると、ガチャガチャと鎧が動く時特有のやかましい金属音を響かせながらプレイヤーの一団が安地に入って来た。
反射的に顔を確認して、それが顔見知りである事に気が付く。

「おーっすクライン、元気かー?」
 入ってきたのは、俺+キリトの親友兼、攻略組小規模ギルド[風林火山]リーダー。カタナ使いのクラインだった。

「おぉ、リョウ、キリト!暫くだな」
「まだ生きてたか、クライン」
 ニヤリとしながらそう言ったキリトに、クラインは苦笑で返す。
なんだかんだいって、此奴とも長い付き合いだ。
俺達二人はソロとして、此奴はギルドリーダーとして、今も立派に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ