SAO編
二十八話 第七十四層攻略中
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女が安地へと飛び込んできた。
片方は白、もう片方は黒。誰だかは、確認するまでも無い。
「おいおい……なんだ幽霊でも見たのか?お前ら」
「リョ、リョウ……」
「近い、かもな……」
「はぁ?」
疲弊した様子で苦笑を浮かべる二人に、リョウは眉をひそめて事情を尋ねた。
…………
「はあ〜、悪魔型ボス、ねぇ」
「あぁ。基本的には二足歩行の人型っぽかったけど……頭の部分が山羊だった」
神妙な顔で言うキリト。
「ふむ、そういやどっか聞いたこと有るな。悪魔は山羊の姿だとか何とか……なんだっけ?あれ」
「あー、どこかで聞いたこと有るけど……ごめん。思い出せないわ」
アスナに問うが、彼女も思い出せなかったようだ。
再びキリトの方に向き直りリョウは少しでもボスの情報を得るため疑問を投げかける。
「で?武装とかは?見たんだろ?」
「ああ、見た限りはでっかい両手剣が一本だったけど……たぶんそれだけじゃないだろうな」
「特殊攻撃有りってわけか。何して来るんだろうな……?一撃必殺で魂とられるとか?」
「冗談じゃないわよそんなの……」
ため息を突きながらアスナが呟く。まぁもしそんなんだったらゲームバランスが根底からひっくり返りかねないので、たぶんあり得ないのだが。
そんな神妙な話の雰囲気をブチ壊そうとするかのように、リョウが口角をにやりと釣り上げる
「っにしても……さっきのお前らの必死さは面白かったぜぇ?」
「うぐっ」
「う……」
勿論、目の前の二人をからかうために、だ
しかし……
「そ、それより!もう三時だし、お昼にしましょう!」
「えー「そうだな!そうしよう!腹ペコだ!!」……っち」
アスナの咄嗟の提案により、阻止されてしまった。
小さく舌打ちをしはしたものの、食事はリョウとしても望むところだったので、特に文句を言わず従い、床に座り込む。
「そういやお前らの飯なんなの?」
「なんなのって?」
「いや、だってせっかく料理スキル上げてる奴が一緒に居るのに、いつもの黒パンで済ます気かと思ってな?」
言ってみた途端、キリトがはっとしたようにアスナの方を向く。
そこには、得意げな様子で胸を張りながら笑う職人《コック》の姿
「ま、まさか手作り……?」
「と、言ってる腹ペコ剣士がいるが、どうなんだ?」
「……(ポチッ)」
尚も無言を貫きつつ、アスナはメニューウィンドウを操作して手に付けていた白い手袋をはずすと、代わりとばかりに手の中に小さめのバスケットを取り出した
リョウがちらりとキリトの方を窺うと、その眼には大きく歓喜の色と、ついでに少々打算っぽい光が宿っていた。
『何考えてんだか……』
「……なんか考えてるでしょ」
考えたのとほぼ同時にアスナがそう発したた
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