SAO編
二十八話 第七十四層攻略中
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の家の前に張り込み、アスナのことを監視していたわけだ。
前言撤回。このおっさん、どうやら唯のストーカーらしい。
そんな事を思っている内に、アスナはクラディールによって無理矢理連れて行かれそうになる。
が、今回に関しては俺はのんびりと傍観していられる。
なぜなら……
「悪いな、お前さんトコの副団長は、今日は俺の貸切りなんだ」
今の騎士姫《ヒロイン》さんには、俺の知る限りでもトップレベルの剣士《ヒーロー》君が付いているからだ。
言いつつ、キリトはアスナを掴んでいるクラディールの右手首を自身の右手で掴む。
これまで眼中にも入れずに無視していた相手に邪魔されたのが気にくわなかったのだろう。
クラディールは掴まれた腕を無理矢理に振りほどくと、より一層の憎悪と墳怒を宿した眼でキリトを睨みつける。
それをさらりと受け流し、キリトは更に言葉を続けていく。
「別に今日はボスやろうてわけじゃないんだ。アスナの安全は俺が責任もって保証するさ。本部戻るならおひとりで行ってくれおっさ……クラディールさん」
『おい、今俺の台詞っぽいのが聴こえたんだが……』
どうも我が義弟は最近俺の言葉を真似するようになったらしい。
後で注意しておこう。
「ふ、ふざけるな!貴様の様な“雑魚”プレイヤーにアスナ様の護衛が務まるかぁ!わ……私は栄光ある血盟騎士団の……」
“雑魚”の部分を妙に協調して行ったクラディールだったが、相手の実力をよく知りもせずにそう言う事はあまり言うべきでは無いと思うぞ。
それに……
「「あんたよりはマトモに務まるよ(だろ)」」
思わず本音がボソリと漏れてしまったが、聴こえなかったようだ。
しかしながらキリトは真正面から言ったため、クラディールはついにキレて、キリトに決闘《デュエル》を申しこんでしまった。
結果は、言うまでも無くキリトの勝利だ。
しかも、武器をぶつけ合うと稀に発生する武器破壊《アームブラスト》を狙ってやると言う、中々に派手な勝利である。
ちなみに言っておくと、実はこれ、キリトの得意技だったりする。
『んじゃ、邪魔者は消えるとしますかね……?』
無事に二人で攻略に出る事となったキリトとアスナがか会話を交わす姿を見つつ、俺はその場から立ち去り迷宮区へ向けて歩き始める。
これでまたあの二人の距離も縮まり、俺により一層の楽しみを与えてくれるだろう。
しかし……そんな楽しみな事を思いつつも、俺の中では何故か妙な不安が靄となって渦を巻き続けていた。
『貴様……殺す……絶対に殺すぞ……』
デュエル終了直後、クラディールがその言葉と共にキリトに向かって放った殺意に満ちた眼光。
それが、まるで網膜に焼き付いたように、迷宮区に行くまでの間の俺の脳からはなれなかっ
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