SAO編
二十八話 第七十四層攻略中
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や、やぁ……おはようアスナ」
『その前に言うべき事があんだろ阿呆……』
呆れながらひきつった笑いを浮かべたキリトを一瞥した後アスナに視線を向けると、目に墳怒及び羞恥と……ちょっと殺意も交じっている。
ちなみに、ちょうど二人の中間に居る俺にキリトが助けを求める視線を向けているのは無視だ。
アスナが軽く武器すら抜きそうだったのでそうなったら止めるかな。とか思っていると、再びアスナの後ろの転移門が青く光り始めた。
途端に、アスナはキリトの後ろへと身を隠す。なんだなんだ?
「なん……?」
「あぁ?」
「…………」
俺達三人が見つめる中、転移門の中から姿を現したのは赤と白のユニフォームに身を包んだ見覚えのある油髪の男。
昨日アスナの護衛をしていた。クラディールと言う男だった。
クラディールさんは出て来て早々、キリトとその後ろに隠れるアスナの姿を見止め、目の中に墳怒と憎悪を一斉に宿らせる。
まぁ、美人だからなこいつは。
そして……
「ア……アスナ様、勝手なことをされては困ります……!」
成人男性にしては、おおよそ高いと言えるだろう声でそんな事を言い始めた。
聞きようによっては、興奮してヒステリックになっているように聞こえなくも無い。
「さあ、アスナ様、ギルド本部まで戻りましょう」
昨日も感じたんだが、何も上官だからって「様」付けせんでも……結構熱狂的なファンなのだろうか?
「嫌よ、今日は活動日じゃないでしょ?……そもそもアンタ、なんで朝から家の前に張り込んでるのよ!?」
どうやら怒っているのはクラディールさんだけでは無くアスナもらしい。キリトの後ろから結構な剣幕でクラディールさんにまくしたてている。
……ていうかお前らキリトを挟んで口げんかしてやるな。本人が精神的にきつそうだ。
「ふふ、どうせこんなこともあろうと思いまして、私一ヶ月前からずっとセムルブルグで早朝より監視の任務についておりました」
って、それ護衛っつーか……いや、もしかしてそうしなきゃいけない理由があったのか?
それでクラディールさんはわざわざそんなアレ紛いの事を?
「それ、団長の指示じゃないわよね……?」
アスナが固くなった意識を無理矢理弛緩させようとするかのように声を絞り出すが、クラディールさんは得意げにこう答える。
「私の任務はアスナ様の護衛です!それには当然ご自宅の監視も……」
「ふ、含まれる訳ないでしょバカ!」
アスナが台詞をさえぎってそう言った瞬間、クラディールさんはより一層目の中の墳怒を濃くしたが、正直な所それは流石に逆ギレと言うやつだろう。
話を聞くに、ようはクラディールさん……もとい、この油髪のおっさんは必要も無いのに護衛の任務を口実にして本人の許可も得ず勝手にアスナ
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