第三十一話 赤眼その四
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「腕にしろ足にしろじゃ」
「生えるのだな」
「それこそ首を飛ばされでもしない限りは生きることができる」
「首をか」
「まあ君もじゃな」
髑髏天使である彼にもというのである。
「普段の身体に比べて回復は早いじゃろ」
「確かにな」
自分のことを言われると理解できた。確かに髑髏天使の時は人である時と比べてその回復力が尋常ではない。瞬く間に治ってしまうのである。
それを思い出してみてだ。さらに話す彼であった。
「そういうことか」
「また言うが人と天使は違うじゃ」
実際にまた言ってきていた。
「何もかもがじゃ」
「だからか。力の源の翼もか」
「何度でも生える」
三度目のこの言葉であった。
「それは安心していい」
「そうか。それでだ」
「翼の数じゃな」
「それだが」
まさに博士の指摘の通りであった。八条が今応えるのはそこであった。その翼の数のことである。智天使になり四枚になったその翼のことである。
「四枚になったということは力は二倍か」
「座天使のな」
こう言われるのだった。
「それの二倍じゃ」
「座天使のか」
「そうじゃ。二倍の強さがある」
その智天使と座天使とではというのだ。
「二倍じゃ」
「道理でだな」
それを言われるとであった。牧村も納得できた。道化師との闘いにおいて発揮されたあの驚異的な力のことがである。そのことに対して納得できたのである。
「あれだけの力があったのか」
「まあわしは君の闘いを見てはおらんがな」
「わかるよね、それはね」
「そうだよね」
「見ただけでね」
ここで妖怪達が口を開いた。そうしてそれぞれ言うのだった。やはり今も酒を飲んだり菓子を食べたりしている。研究室のあちこちに車座になって座りつも通りである。
「牧村さんが強くなったのはね」
「見れば充分わかるよ」
「わかるし感じる」
「そうそう」
こう言っていくのだった。牧村はその話を立って壁に背をもたれかけさせたいつもの姿勢で聞いているのだった。そうしながらである。
「見ただけでか」
「わしはわからんがな」
博士はあくまでこう述べる。
「そうしたことはわからん」
「戦闘力等はか」
「それをわかるのはこの連中じゃよ」
友人を見る目で妖怪達を見回しながらの言葉である。
「わしではない」
「そうか」
「そうじゃよ。さて」
「ああ」
「君のその強さは格段にあがった」
またその話に戻った。
「二倍じゃよ、よいな」
「二倍か」
「それまでは段階的に強くなってきたが格段にあがった」
それが大きな違いなのだという。
「その力、上手くコントロールするようにな」
「コントロールはしてみせる」
「だといいがな。まだこの文献にしろ他の文献にしろ解読中じゃが」
「
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