SAO編
二十七話 始まりは雑貨屋にて
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情は後で話すさ。それよか何持って来たんだよ?なんか面白いもんか?」
「あぁ。面白いってゆーか、なんてゆーか……エギル、たのむ」
「おうよ」
そう言って、エギルと向き合ってトレードウィンドウを開くキリト。同じく向き合ったエギルはウィンドウを出し……目を見開いた。驚愕しているようだ。
「おいおい……こりゃS級のレア食材アイテムじゃねぇか……《ラグー・ラビットの肉》、俺も始めてお目にかかるな」
それを聞いた俺は思わず高い口笛を吹く。
S級のレア食材アイテムと言ったら、売れば7万、いや10万コルは堅いだろう。
何しろSAO内で最高級とも言える食材アイテムである。
原則、SAO内での娯楽と言ったら先ず間違いなく「食う」ことが上がる。NPCのレストランでも旨い所は旨いが、料理スキルの高い職人プレイヤーが、高級な食材を用いて作る料理の旨さは、その比では無い。
それだけの食材を持っていて、食わずに金にすると言うのは正直、自身でもよく食うと自負している俺ならまずあり得ない事だ。
「何だキリト、お前自分じゃ食わねぇのか?相当旨いと思うぞその肉なら」
「そりゃ分ってるけどさ……このレべルのアイテムとなったら扱える奴も限られてくるしなぁ……」
それは確かにそうだ。
鍛冶スキル等と同じで、アイテムのレベルが高いほど、その手の物を扱う時スキルの熟練度が高く無いと失敗率は高くなる。
ましてこのランクの食材となれば、最低でも熟練度900異常の料理スキルの持ち主が欲しい所だが、そんなスキルの持ち主がそこらへんにごろごろしている訳は無い。
だが……
『お前によばれりゃ喜んで飛んでくるだろう女を、俺は知ってるがな……』
鈍感な義弟を正面に見ながらそんな事を思う。と……
「キリト君」
突然、聞き覚えのある声と共に、陳列棚の裏から手が飛び出し、キリトの左肩に触れる。
前言撤回。真後ろに居たようだ。
キリトは一瞬驚いたような顔をしたが即再起動。肩に付いていた手を掴んで、振り返るざまに言う。
「シェフ捕獲」
「いやキリト、その言い方はどうかと思うぞ?」
「何……ってあれ?リョウ居たんだ?珍しいね、こんな早く帰って来るの」
「なぁ、エギル、俺ってそんなにいつも戻って来るの遅いっけ?」
「まあ……なぁ。用事がなきゃ大体早くて日が暮れる直前位だろ。キリト達も帰った後とか多いしなぁ。おめえの自業自得だな」
「はぁ……」
少し立ち上がって全員が見える位置に移動する。
現れたシェフ……もといアスナの後ろには、二人のコーブメンバーが立っている。
その内、左に居た赤いバンダナの男は知り合いだ。少し手を上げて挨拶すると、彼も同じ動作で返して来た。
もう一人の男は見覚えが無い。油っぽい長髪を後ろで束ねた、色白で細
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