第三十話 智天その二十三
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その彼がだ。今変わったのであった。
身体が光った。白い、いや銀色の光に包まれた。その光は周囲も包み込みそのうえで彼に襲い掛かってきていた全ての剣を消したのであった。
「剣までも」
「私達の剣も全て」
「消し去ったというのですか」
「これがか」
光の中で髑髏天使の声がしてきた。
「これが俺のあらたな力か」
「その姿は」
「それが」
「そしてだな」
その中でまた言う髑髏天使だった。
「俺自身もまた」
「そうですか。それが」
「光の天使」
「智天使ですか」
光が消えてそこに彼がいた。白銀の甲冑と半ば透き通った水晶を思わせる髑髏の顔に翼は四枚であった。その天使がそこに立っていた。
「その姿が」
「九つの階級の中での二番目の天使」
「それが智天使ですか」
「この力はだ」
その智天使になった彼の言葉である。
「どうやら今までの力とは違うな」
「その様ですね」
「それは確かに」
「先程までとは全く違います」
それは魔物達も感じていた。その気配からである。
「そしてその力で」
「私達を倒す」
「そうされるというのですか」
「そうだ、倒す」
その水晶を思わせる顔での言葉だった。
「貴様等をだ」
「それでは」
「また闘われるのですね」
「私達と」
「それを止めるつもりはない」
闘いについての考えは変わらなかった。姿が変わってもである。
「決してだ」
「決してですか」
「やはり髑髏天使だからですね」
「だからこそ」
「また言っておこう」
彼は峻厳でさえあるその声で魔物達に話してきた。
「俺は闘うからには勝つ」
「勝つというのだな」
「そうだ。勝つ」
そうしてであった。両手に持っているその剣を構えてだった。闘いに入ろうとしていた。
魔物達もであった。その手に持っている剣を構えた。そのうえで再び一人になるのだった。
それぞれの身体が重なり合いそうして。元の道化師一人になったのである。
「一人になったのか」
「下手なショーはできなくなりましたので」
そうだったというのである。
「ですから」
「ショーができなくなったというのか」
「そう、下手なものはです」
「それはどういう意味だ?」
「言葉通りです」
笑いながらの言葉であった。
「私のそのままの純粋な力で、です」
「俺を倒すというのか」
「はい、ショーを見せて差し上げます」
こう言ってであった。剣を構え。駒の如く回転して跳び上がり。そのうえで向かってきたのであった。
「さあ、どうされますか?」
「それで切り刻むつもりか」
「その通りです。どうされますか?」
笑う声で髑髏天使に対して問うてきた。
「この攻撃に対しては」
「どうということはない」
髑髏天使は自身に急
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