暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第五話 襲来その三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「これでね。射抜いてあげるよ」
「弓か」
「そうさ。僕は弓が大好きでね」
 言いながらまた背中の羽根に手をやる。すると今度はその羽根が矢になるのだった。
「闘いもこうしてやるんだ。いつもね」
 話していると周りの烏達が騒ぎだす。彼はその烏達に対して声をかけた。
「慌てることはないよ、見ているだけでいいから」
 友人にかける言葉そのものの優しい言葉であった。
「君達に迷惑はかけないからね。だから」
 烏達は彼の言葉に頷いた。そうして静かに彼の上にあがり羽ばたきつつ闘いを見守りだした。とりあえず彼等の介入はないことがわかった。髑髏天使はそれを見つつまた烏男に対して声をかけた。
「友人か」
「そうだよ、皆僕の親友さ」
 言葉を微笑まさせつつ彼の言葉に答えてみせてきた。
「皆ね。友達さ」
「烏がか」
「僕は烏だからね」
 人ではないとまで言い切ってきた。
「当然じゃないか。違うかい?」
「確かにその通りだ。少なくとも人間ではないな」
「まあね。それじゃあ」
 こうした話の後で弓矢を構えてきた。
「いいかな、再開させて」
「何時でもいい」
 上を見上げつつ烏男の言葉に返した。
「立ち向かってやる。それだけだ」
「じゃあ。行くよ」
 その言葉と共に弓矢を放ってきた。それは続け様に何本も何本も放たれる。凄まじい速さと唸り声をあげて髑髏天使に襲い掛かるのだった。
 髑髏天使は右手の剣でその矢を叩き落していく。だがそれでも弓矢は次々と放たれ減ることはない。まるで尽きることがないようだった。
「やるね。やっぱり」
 烏男は彼が弓矢を完全に叩き落しているのを見て言ってきた。言いながらもまだ弓矢を放ち続けている。その速度もかなりのものだ。
「今まで四人も倒しているわけじゃないね」
「倒さなければ生きることができない」
 髑髏天使は話すその間も弓矢を落としていく。防戦一方であると言えたがそれでも負けてはいなかった。
「決してな」
「そうだね。それが髑髏天使だからね」
「貴様等を倒すことがな」
「それは知っているよ。けれどね」
「けれどね。何だ?」
「どうやって僕を倒すんだい?」
 楽しそうに笑いながら髑髏天使に問うてきた。
「今どうやって。この僕を」
「倒せないというのか」
「そうじゃない。僕は空にいる」
 まずは彼の位置を述べてきた。
「そして君はそこだよね。それでどうやって僕を倒すんだい?」
「方法はある」
 だが髑髏天使は落ち着いた声で返したのだった。
「方法はな」
「あるんだ」
「そうだ。こうする」
 ここで彼は足を踏ん張った。そうして思いきり跳躍してきた。
「なっ!?」
「ふむ、やはりな」
 跳躍しながらも弓矢を叩き落していく。だがその弓矢が突如として止まった。彼の
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ