第三十話 智天その十七
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「そしてさらに登り詰めたその時にだな」
「貴様等と闘うことになるな」
「面白いことだ」
魔神は笑った。その男らしさそのものの顔に楽しむ笑みを見せていた。彼にとっては珍しいことであった。笑うということ自体がである。
「思えば長きに渡って闘ってはいない」
「封印されていたからだな」
「そこまで辿り着いた髑髏天使も僅かだった」
それも理由だというのだ。
「だからこそだ。余計に楽しみだ」
「俺と闘うことがか」
「期待している」
こうも彼に告げたのであった。
「充分にだ」
「ではその時を楽しみにしていることだな」
「そうさせてもらう」
「倒す」
今の牧村の言葉は一言であった。
「貴様等をだ」
「ではだ」
ここまで話して姿を消す魔神だった。こうして牧村は完全に魔物と対峙することになった。最早存在しているのはお互いだけしかなかった。
「それではです」
「はじめるのだな」
「髑髏天使になって下さい」
こう彼に言ってきた。
「全てはそれからです」
「それからだというのだな」
「ですから」
「いいだろう」
魔物のその言葉は当然として受けた。
そうしてであった。両手を拳にしてそのうえで己の胸の前に持って行ってである。ゆっくりと変身の構えに入っていくのであった。
拳と拳を打ち合わせるとであった。そこから白い光が放たれた。そうしてその光に包まれてその中で異形の天使の姿にとなるのであった。
甲冑を着た髑髏の姿になってだ。右手を一旦開き握り締める。次の言葉は。
「行くぞ」
「はい、それでは」
「一気に決着をつける」
こう言ってであった。すぐにその姿を変えた。
座天使である。その姿になってからまた言った。
「この姿でだ」
「闘われるのですね」
「それでいいな」
「はい、是非」
こう言ってであった。魔物は一歩前に出て来た。
そうしてである。跳んできた。
「跳んだか」
「さあ、参ります」
跳びながらだった。身体が幾つにも分かれてきた。
「むっ!?」
「私の芸の一つでして」
「分身がか」
「はい、参ります」
その幾つにも分かれた魔物達が言ってきて。そうして髑髏天使に一斉に襲い掛かってきた。
それぞれ急降下を仕掛けてきた。その手の刃を手にだ。
「それでは」
「これで」
「倒させてもらいます」
「生憎だがこちらにも事情がある」
こう言ってであった。髑髏天使はその彼等に向けて攻撃を繰り出した。剣を上に向けてそこから拡散する雷を放ってみせたのである。
「雷!?」
「それをですか」
「さて、どうするつもりだ」
急降下してきている魔物達に問う言葉である。
「この攻撃は。どうかわすつもりだ」
「それならばです」
「こうするまでです」
こ
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