SAO編
二十五話 刃と殺人鬼
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れと……」
先程までとは違う。何時もの様子で、リョウは言葉を続ける。
「ようこそ、冷裂の咢へ」
ゾッとする悪寒が、一瞬でPoHの全身をつつみこむ。
と言うのもPoHには見えてしまっていたからだ。腕を伸ばし切り、リョウの左斜め後ろに携えられた青龍偃月刀が、深く、濃厚な深緑色のライトエフェクトを纏うのを。
そしてようやく気が付いた。
この隙はわざと作りだされたものであり、自分が、彼の間合いにまんまと誘い込まれた、獲物なのだと言う事に。
「shit!」
狩る側から、珍しく狩られる側に回された事で、屈辱にPoHは小さく悪態をついた。
────
左から右上に向かって立ち上がりつつ冷裂を振り上げる。
PoHは本来片手持ちの友切包丁の刀身に左手を添える事でギリギリのパリィによって何とか軌道を少し反らすが、当然これでは終わらない。
次は振り上げる過程で冷裂の柄の下部を握った右腕と、左腕を上手く交差させ、先程と合わせて∞のを描くように再び右下から左上への振り上げ。
これは何とか体制を立て直し、少々後ろに下がったPoHに回避されるが、更に前に出ながらスキルは続く。
振り上げた冷裂を今度は大上段に構え思いっきり正面に振り下ろす。
武器を使った全ての攻撃に置いて、武器の重量と振り下ろす腕力を最大限に使えるため、最も強力と言われる振り下ろし。
喰らえば恐らく一撃であろうそれを、PoHは大きく後ろに下がって避けるが、予想道理の動きだ。
お次は自身の身体をさらに前に出す。
冷裂の横に付き、前に出した右足と、冷裂の刃が平行に並ぶように位置取り、冷裂と地面の間の角度が大体7〜80度くらいになった所で、一気に冷裂を振り上げる。
地面により、抑えつけられていた力が一気に解放されると同時に、少々握りを緩めて置いた事で両手の中を冷裂が滑るように移動し、一気に間合いを広げる。
恐らく、予想外の動きだったのだろう。PoHはパリィする事も出来ず、その一撃はPoHの右側の身体の表面を切り裂く……が、浅い。
それでも、圧倒的な威力を孕んだそれは掠っただけにもかかわらずPoHのHPの四割を喰らう。
しかも、まだ終わりでは無い。
三度跳ね上がった冷裂を再び振り下ろす。が、今度は地面まででは無く、胸のあたりでそれが止まる。そして右手が柄の下部を持っていた事を利用して、間髪いれずに突き出す。
再びリーチの差による攻撃を受けたPoHは何とかそれを左に回避。
しかしながら、俺の身体はそれを確認するよりも早く次の行動に移る。
突き出し、右腕が伸びきったままの姿勢で俺の身体が回転する。
丁度先程使った乱嵐流のように、一転、二転、三転……そして五回転目。それまで石突きを持っていた右手の冷裂を、右
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