SAO編
二十五話 刃と殺人鬼
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に錯覚させられるほどの斬撃の乱舞はPoHにとって、まるで巨大な死神の手に包まれるような印象すら与えたが、PoHはそれを全て回避し続ける。
ちなみにパリィはあまり出来ない。
唯でさえその重量によって圧倒的な攻撃力を生み出している相手の偃月刀が、今はさらに全プレイヤーの中でもトップの筋力値を持つリョウによって振り回されているのである。
下手にパリィしようとして、武器を当てる角度を間違えれば、此方の武器である友斬包丁が手の中から吹っ飛ばされる事だろう。
それがわかっているからこそ、避けて避けて避けて避けて避けまくる。
PoHは間合いの差により反撃出来ていないがしかし、さりとてやられるだけで居るわけでは無い。
常にリョウの動きを見続け、いずれ来るであろう隙を徹底的に探す。
これまでのPKの中で鍛えて来た、「人を殺すための」洞察力が、フルに使われていた。
そして、その時が来た。
左手に持った偃月刀を大きく振り抜いたリョウは、そのままちょうど伸脚をする時のように体制が低くなり、左手は伸びきる。
即ち、胴体はガラ空きだ。
そこに、何のためらいも無くにPoHは跳び込む。
狙うは首、自分のペースに持ち込み、再びヒット&アウェイ戦法へと移行すれば、間合いの差を覆して十分に勝算はある。
それは事実だし、これまでの戦闘もそれを証明して来たのだから、PoHがそう考える事はごく自然であり、正しい。
此処で一気に流れを引き戻そうと、PoHは友斬包丁を振り下ろす。
瞬間、鈍い金属音が、辺りに鳴り響いた。
────
「No way……」
ありえない。
そういったPoHの目線の先に有ったのは、リョウが左の掌で友斬包丁を受け止めている、光景であった。
否
掌では無い。
よく見ると、リョウの手には何かが握られており、それが、この世界で最強の切れ味を持つはずの友斬包丁の刃を見事に受け止めていた。
その手の中に有ったのは、十センチ四方程度の小さな小箱。
「永久保存トリンケット……だと……」
PoHが呟く。
永久保存トリンケット
マスタースミスのみが作ることのできる十センチ四方程度の大きさの保存箱。
これ自体が小さいため大きな物を入れる事は出来ないが、その名の通り、この箱の中に入れた物は、本来この世界に置いて食べ物から武具まで全ての物に起こるはずの「耐久値自動減少」が発生しなくなり、永久にその形を保って保存しておくことが出来る。
そしてこの小箱にはもう一つ特徴がある。
即ち「耐久値無限」
この小箱は、たとえ屋根の上から落とそうが大型モンスターに踏まれようが友斬包丁で切られようが、決して壊れないのだ。
「ご名答。その通りだよPoH、さすがだな。そ
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