SAO編
二十五話 刃と殺人鬼
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リト達の方が終わって援護に来る可能性もあるが、どれだけかかるかも分からない可能性に期待すると言うのは、お世辞にも好ましいとは言えない。
『しゃあねぇか……』
こうなると自分から勝ちに行った方が良いだろう。
下手に引けば余計に追い込まれるばかりで状況を悪化させかねないからだ。
しかもこうしてる間にもPoHは俺を間合いに入れようと少しづつ距離を詰めて来ている。迷っている時間も無い……か。
んじゃ、真面目に殺るかね……
「吸うううううううぅぅぅぅぅぅぅ。吐あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
冷裂をダランと下ろすような構えで、切っ先をPoHに向け、ゆっくりと……大きく深呼吸をする。
それにつれて頭の中がクリアに、冷静に、空っぽになって行く……
集中……集中……
────
「Hey?」
「…………」
リョウが、急にその口を閉じ急に無口になった事にPoHは疑問を覚える。
此方から話しかけても何も反応がない。正直な所、今のリョウは彼から見て、まるで何も考えていない人形のように見えた。
実際、その認識はおおむね正しい。
今のリョウは殆ど何も考えて居ない。正しい意味で、頭が空っぽの状態だ。
しかしながら、そんな状態でも幾つかの事はリョウの頭の中に残っているのだが。
と、そんな事をPoHが考えている内、ようやくリョウの口が開いた。
「行くぞ……」
突然層言った直後、トン。と言う音と共に、リョウの身体が跳ね上がる。
低空跳躍では無い。文字どうり、斜め上へとリョウの身体が大きく跳ね上がり、上昇して行く。
冷裂の様な重たい物を持ってそもそも跳躍できること自体異常なのだが、その事は今は重要ではない。
PoHは突然のリョウの行動に少々驚くが、動揺は無い。
此処は洞窟。その場所で高く跳びあがり、攻撃としてする事と言えば……
低い破裂音と共にリョウが洞窟の天井を蹴る。彼にとっては予想通りであり、不意をつかれた事は何もない。
……その異常なスピードを除けば。
「ッ!?」
上から冷裂の切っ先を此方に向けたまま、振って来るリョウの速度は、まるで「閃光」と呼ばれるSAO最強ギルドの副団長の様であった。
すんでの所でバックステップを行ったPoHの目の前で、冷裂が地面に突き刺さり地面がキラキラとポリゴン光を散らず。
避けられた事にひとまず内心でPoHは安堵するがしかし、そんな暇は与えぬとばかりにリョウはPoHに猛然と打ちかかった。
人体の部位の中でも素早く動く手首や、指先の動きを最大限に使って偃月刀を振り回し、PoHに反撃のすきを与えようとしない。
上下左右
攻撃は正面からのみであると言う事を理解しているにもかかわらず、全方位から打ちかかられているかのよう
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