暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第二十九話 小男その二十二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「とてもな」
「そうだよね。それはね」
「そしてだ」
「そして?」
「智天使になればだ」
 それからのことも述べていくのであった。
「人であるかどうかが問われる」
「人であるかどうかが」
「そういえばだ」
 ここで死神は魔神達を見た。そのうえでの言葉である。
「貴様等は十二柱だったな」
「はい」
 老人が微笑んで彼の今の言葉に応えた。
「それが何か」
「十二柱と決まっているのか」
「今のところは十二ですが何もそうとは決まっていません」
 こう死神の問いに返してきたのであった。
「別にです」
「そうなのだな」
「それが何か」
「十三になる可能性もあるということか」
 今度はこう呟いた死神であった。
「つまりは」
「そうなるのも面白いですね」
 老人もその場合について考えて述べた。
「確かに」
「魔神が増えるか」
 死神はそのことをあらためて認識して目を鋭くさせた。 
 その彼にだ。また目玉が尋ねてきた。
「ねえ」
「そうだ。そうなればことだ」
 まさにそうだというのである。
「そしてその場合はだ」
「髑髏天使を」
「冥界に送る」
 一言であった。
「その場合はだ」
「じゃあ魔物よりも先にってことだよね」
「その場合も有り得る。魔神をこれ以上増やすわけにはいかない」
「けれどさ。髑髏天使っていったら」
「何だ?」
「魔物を倒すものだよ」
 目玉が今言うのはこのことであった。
「魔物を倒す髑髏天使が魔物、それも魔神になるっていうのは」
「有り得ることだ」
 しかし死神の言葉は動かなかった。
「それもだ」
「有り得るの」
「有り得る」
 そしてまた言ってみせた。
「魔物はだ」
「闘いに溺れるから魔物だからね」
「そうだ。そしてその神がだ」
「魔神」
 彼等は彼等の認識での話をしていっていた。これが彼等の魔物、そしてそれを司る魔神という存在への認識に他ならなかった。
「じゃあ闘いに溺れ人の心をなくせば」
「髑髏天使として同じことだ」
「魔物を倒す存在でありながら魔物になっていくというんだね」
「そうなる危険はある。ましてやだ」
 死神の言葉は続いていく。
「あの男はだ」
「変わってきているね」
「まだ人ではある」
 言葉が限定系になっていた。それも見逃せないものだった。
「しかしだ。徐々に」
「人ではないものも混ざってきているね」
「貴様等に近い」
 ここでまた魔神達を見据えたのであった。
「そうしたものも入ってきている」
「はて。それは面妖な」
 老人は死神の今の言葉を受けて微妙な様子の言葉を出した。
「髑髏天使が魔神にですか」
「それは今までなかったことだな」
「聞いたことは寡聞にしてありません」
 これが魔神の返
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ