第二十九話 小男その十七
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「俺の今の選択肢はだ」
「では何かしら」
「勝つ」
それだというのである。
「それだけだ」
「そう。それではだけれど」
また敵の口をかわした。再びお互い反転し合うことになった。
そうして反転しながら。また話に入った。
「どうして勝つつもりかしら」
「今の貴様にか」
「そうよ。今貴方は劣勢よ」
このことをあえて彼に言ってみせたのである。
「それはわかるわね」
「嫌でもな」
わかると。彼も返した。
「それはわかる」
「そうなの」
「だが。それでもだ」
しかし髑髏天使は髑髏天使として言うのであった。
「俺は勝つ」
「この状況でもなのね」
「そうだ、勝つ」
あくまでこう言うのだった。
「それを今言おう」
「では。見せてもらうわ」
魔物もそれを受けて自信に満ちた声で返した。
「貴方のその勝利の仕方をね」
「安心して見ることだ」
髑髏天使の言葉は落ち着いたままだった。
「貴様のその最後をだ」
「それを見ろというのね」
「より正確に言えば見せてやろう」
言葉を言い換えもしてきた。
「では。行くぞ」
「ええ、それじゃあ見せてもらうわ」
こうしたやり取りの後でだった。彼はまずはそのままの姿だった。座天使である。
その座天使の姿でだ。彼はまた言ってきたのだった。
「来るのなら来い」
「来いというのね」
「そうだ。そうすればわかる」
こう彼に言うだけだった。
「貴様のその最期だが」
「貴方の最期は見てあげるわ」
しかし彼は言った。
「それをだ」
「では。見てあげるわ」
言いながらその白い牙を見せてだ。彼に対して突進する。無論その牙を放っている。まさにマシンガンとして彼に攻撃を仕掛けてきていた。
だが髑髏天使はそれをかわした。しかも至近でだった。
「何っ、またかわしたの!?」
「だがかわしただけではない」
こう言ってだった。
右手の剣を下に一閃させた。するとだった。
魔物の前にあるものが出て来た。それは。
「!?これは」
「弱点のない存在なぞいない」
その言葉と共に出したのだった。
それは何かというとだ。網だった。
雷の網である。蜘蛛の巣そのままの姿をした黄色い網を魔物の前に放ったのである。
「網!?」
「鮫は常に動く生き物だ」
網を放ったうえでの言葉である。
「ではそれを止めたらどうなるかだ」
「その場合はか」
「そうだ。こうするのだ」
こう言ってであった。魔物を網の中に突っ込ませたのである。
網の中に入った魔物の動きが止まった。そうしてであった。
その動きが止まった魔物の上からさらに雷を放った。だがただ普通に放ったのではなかった。
右手の剣を投げたのだ。それで魔物を貫いたうえで、であった
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