第二十九話 小男その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そういうのは」
「それではどうしたものでよかったのだ?」
「自分から出向いてだよ」
それが自分に相応しいというのである。紳士に対して述べた言葉だった。
「それが一番気軽なのに」
「私だけが出向くつもりだったのだがな」
紳士はここでこのことを話した。
「ところがだ。場所がだ」
「ここだからなんだね」
「たまたま全員揃っていた」
紳士はまた彼に述べた。
「それだけだ」
「そうなんだ。それでだけれど」
「それで?」
「闘うのだな」
今度はこのことを小男に問うた。
「今ここで」
「うん、そうさせてもらいたいな」
にこにことしながら話すのだった。
「それじゃあ」
「そうだな。でははじめるとしよう」
「それでは私達はこれで」
「去るとするわ」
紳士が応えるのを見て他の魔神達は彼等から見て右手に、コンサートが開かれるアリーナの方へと足を向けてそうして進めるのであった。
「私達はあちらを楽しみますので」
「これで」
「そうか、わかった」
それを聞いて頷く紳士であった。
「私は私の楽しみを堪能させてもらう」
「それじゃあ僕もね」
小男も言うのであった。にこにことしたままで。
「そうさせてもらうよ」
「一つ言っておく」
ここでまた言う紳士であった。
「この時代の髑髏天使はだ」
「どうなのかな。相当強い気配を感じてるけれど」
「座天使だ」
それだというのである。
「今は座天使になっている」
「あれっ、早いね」
座天使と聞いてすぐにこう述べた小男だった。
「もう座天使なんだ」
「この調子でいけばだ」
「そうだね。智天使だね」
「その時にどうなるかわからないが」
「今は闘えるんだね」
「そうだ」
まさにその通りだというのである。
「これでわかったな」
「わかったよ。それじゃあはじめようかな」
小男はここまでのやり取りをしてから牧村と死神に顔を向けた。そうしてそのにこにことした顔で二人に対して言うのであった。
「それじゃあだけれど」
「はじめるのだな」
「そうだよ。君なのかな」
にこにことした顔のまま牧村に問う。
「今の髑髏天使は」
「だと答えればどうする」
「凄いね」
笑いながらまた言ってきたのであった。
「もう座天使だなんて」
「言いたいことはそれか」
「そうだよ。やらせてもらおうかな」
悠然と、余裕のある顔での言葉であった。
「それじゃあ」
「ではここでの俺の相手は」
「僕なんだよね、流れだと」
ゆったりとした言葉のままである。その言葉で言うのである。
「それでいいよね」
「相手が誰であろうと構わない」
「わかったよ。それじゃあ行くよ」
「来るのだな」
「うん、僕の名前も言っておこうか」
彼からの
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ