SAO編
二十三話 刃(やいば)の異名を持つ男
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当然、このまま硬直してたらまぁもろに当たってHPがごっそり持って行かれるのだろう。
駄菓子菓子
「そんなつもりは毛頭ねぇんだよ!」
そう言いながら、硬直しているはずの足を振り上げ、土色のライトエフェクトと共に地面に叩き付ける。
足技 範囲妨害技 大震脚
ズン、と言う重々しい音と共に地面が大きく揺れ、周囲に居たプレイヤーたちは昔懐かしいギャグの様にこける。
まぁ彼らにとってはギャグでは無く真剣に命の危機なわけだが。
「なっ!?」
「馬鹿な!?」
おーおー、驚いてる驚いてる。
まぁそれはそうだろう。この世界での絶対の隙であるはずの硬直時間を、無視してスキルを使用したのだから。
これが、足技のスキルのもう一つの特異性《硬直割り込み》である。
本来ソードスキルは使用すると硬直時間が科せられ、その間はいかなるスキルも使用できない。
それどころか動く事も出来ないのだが……《足技》のスキルは唯一例外として、ソードスキルからの場合のみ(同じ足技スキルは不可)硬直時間に割り込んでスキルを発動させる事が出来る。
しかも驚くべき事に、その後科せられる硬直時間は発動した足技スキル分だけなのだ。
つまり、非常に短い。
まぁ今回も、接近して来たオレンジ達が立ち上がりきるよりも俺の方が硬直から回復する方が早かった訳で……
「はい、残念〜」
スキルを使うまでも無く、少ししゃがんで冷裂を振り、周りに居た四人を切り裂く。
これで十三人。
冷裂を振り終わってから、俺は構えを崩さずに周りを見る。と、いつの間にかオレンジが押している混戦だった状況は逆転し、徐々に討伐組が押し始めているようだ。
あれだけの状態を見ても、俺に刃を向けたままの勇気あるオレンジプレイヤーもまだ数人いるが、彼らの顔は一様に恐怖に彩られていた。
そんな彼らに向かって、俺はなるべく「何時も通り」のニヤリとした笑みを浮かべて、言う。
「さぁ諸君、旅立つ準備は出来たかね?」
ちょっと格好付け過ぎの様な気もするが、まぁこの歳だし、まだ許されるだろ。
それに、今の言葉で間違いなく目の前の連中ビビってるし。
恰好を付けると言えば、ジン、と言う異名は誰が呼び始めたのか知らんが結構その方面のもんだと思う。
まぁ、実際の所何も感じず人を殺すと言うのは言いえて妙だと思うが、少々それには語弊があるとも思える。
……否、或いは俺がそう思いたいだけなのかもしれない。
──俺は、人を殺しても、何か感情を抱いた事が無い。
罪悪感はあるが、殺した事に対しては大して何も感じてないし、精神的な重圧なんて皆無だ。
友人や親類が死ぬ事がどれだけ悲しいか俺は知っているし、今までに殺した連中にとってのそういう人々は今頃死ぬほど哀しんでいる人もいるん
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