第四話 改造その十一
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うだ。それだけが真実だ」
これが蟷螂人の言葉だった。
「勝敗だけがな」
「つまり必然の結果だったということか」
「そのサイドカー、見事なものだ」
今度は彼の乗るサイドカーを褒めてきた。
「普通のものではあるまい。違うか」
「その通りだ」
彼もそのことを認める。
「これは。改造された」
「科学以外のものも入っているな」
「錬金術らしい」
この辺りはまだ完全に受け入れてはいないのでこう答えたのだった。
「話によるとな」
「面白いことだ」
蟷螂人は錬金術まで入っていると聞いて興味深そうに述べた。
「今それを使える人間がいるというのはな」
「何分変わり者でな」
博士のことを思い出しつつ述べる。
「そういうのも身に着けているそうだ」
「そうなのか」
「どちらにしろ。見事な闘いだった」
彼もまた相手を称賛したのだった。その戦いぶりを。
「闘いを楽しむ趣味はないがこう言っておこう」
「感謝する。その言葉で迷いはなくなった」
蟷螂人の言葉に笑みが含まれていた。
「それではな。さらばだ」
最後にこう言い残して紅蓮の炎と化した。髑髏天使はまた勝利を収めることができたのだった。
闘いが終わるとすぐに牧村の姿に戻った。そのうえで再びサイドカーのアクセルを踏むとここで携帯が鳴った。ヘルメットを取ろうとしていた手を止めて胸のポケットに入っているそれを取り出すのだった。するとすぐに彼が最もよく知っている声が出て来たのだった。
「ねえお兄ちゃん」
「何だ、御前か」
「何だはないんじゃないの?」
未久の明らかに不機嫌な声が返ってきた。
「折角可愛い妹が電話してきたのに」
「御前は可愛かったのか」
また随分と惨い返し言葉だった。
「初耳だがな」
「お兄ちゃん、本当に人間関係大丈夫?」
妹もまた負けてはいなかった。
「そんなので。お友達いるの?」
「苦労はしていない」
こう言われてもぶしつけな返事は変えない。
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