SAO編
二十二話 その男の異名
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の凄まじい実力から間違った意味で解釈している。
即ち
《神聖剣》と並ぶ男として
しかし一部の……一部の真実を知る者達やオレンジプレイヤーからは、その“事実”故に彼はこう呼ばれる。
────
重々しい金属音と共に、打ち出された《ヴォ―パル・ストライク》の切っ先が横から飛び出した刃の刀身に打ち止められる。
俺は、自分でも筋力値パラメータはレベルの高さもあってかなりの物であると自負している。。
だが、打ちつけられた切っ先は、まるで鋼鉄の壁に打ち込んだかのようにいとも簡単に打ち止められ、衝撃によって弾き返された。
「がっ!」
ノックバックにより大きくのけ反った俺は、体制を立て直す事も出来ずにそのまま地面に背中を叩きつけられる。
恐らく今のでHPバーが少し削れただろう。
自身の身が守られた事を悟った槍使いは、安堵したような表情をした後、小馬鹿にするような嘲笑を浮かべて俺を見下ろす。
そして次の瞬間
──そいつの嘲笑った顔は上段蹴りによって粉々に吹き飛んだ。
「あーあ、結局一人殺らしちまったよ……兄貴失格だなこりゃ」
聴きなれた響き、聴きなれた声。
何時も俺を何処か落ち着かせ、安心させてくれる声が、喧噪の中やけにはっきりと、何時も通りに響く。
そう。「何時も通り」なのだ。
目の前で、頭を吹き飛ばされたオレンジプレイヤーが、激しいポリゴンの爆砕音と共に消えて行っているのに……自身の起こした「死」の音と現象が、目の前で起きているのに、その声はあまりにも「何時も通り」だった。
「兄……貴」
「リョウ……」
俺とアスナの声がほぼ同時に響く。
不思議な色をした浴衣姿。手に持つ得物は青龍偃月刀。
“真実”を知る一部のオレンジにとって恐怖の象徴であり、レッドプレイヤーを除いて唯一、「殺し」をためらわない、刃のごとき最凶のプレイヤー
──《刃》──と呼ばれるプレイヤーの姿が、そこにはあった。
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