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SAO─戦士達の物語
SAO編
二十二話 その男の異名
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《ビーター》と呼ばれる者たちを「悪」と定め。自らを「正義」と信じて、武力的な力を持って「悪」が奪った物を「取り返そう」としたのだ。

 当然、そのためにオレンジ行為に及ぶなど本来ならば許されることではない。
だが同時に、彼らの言い分はゲーム開始直後に始まりの街に取り残されかけた中堅プレイヤーや、その段階で仲間や友人を失った者達の、ある意味では共感を得ていた。

 多くの人間が表立って肯定はしないものの、心のどこかでは否定もしていない。そんな組織だったので、彼らは調子に乗ったとも言うべき勢いで襲撃を繰り返し、情報を掴まれたベータ参加者。特に攻略組に属するソロプレイヤーは自らの力で己の身を守るしかなかった

 だが、幾ら高いレベルとレアな装備を持ったベータとて、HPを減らしている時にレベル差が8〜5程度しか無い連中(実はこのギルドの面々結構な高レベルとなっており、ベータにも肉薄するほどのレベルとなっていたのである)に十人で囲まれれば何時までも逃げおおせる訳は無いし、身を護りきる事も難しくなってくる。
ついに、一人が身ぐるみをはがされると言う被害が起きた時は、ベータ全員が恐怖と一種の恐れを抱いただろう。


 しかし、そんな彼らの活動は、その年の3月の終わりに突然終了する。
原因はベータでは無い攻略組ソロプレイヤーへの勘違いによる襲撃。

 といっても、別にそれをしたことで彼らへの非難が殺到したとか、そう言う政治家の様な理由ではない。

単純に、そのプレイヤーとの戦闘で、メンバーがほぼ全滅したのである。

 十人のメンバーは一人残して黒鉄宮の碑に有る名前に横線を刻まれ、ポリゴンの破片となってこの浮遊城及びこの世から消滅したのだ。
ちなみにこれがSAOこの史上で初めての「殺人」となっている

 その戦闘から、幸運にも一人だけ脱出できた戦槌使いのオレンジプレイヤーは、せめてもの仕返しなのか流した噂の発端としてこう言っている。

「あの男のは、人を殺す事に一片の躊躇も迷いも無かった。」

 そしてこうも言った。
まるで、ただ相手に向かって振るわれて何の感情も無く人を殺す刃物ような人間であったと。


 あまり知られていないが、後々この噂の対象である「あの男」はその後自分に襲撃をかけて来た少数のオレンジプレイヤーをまるで当たり前と言わんばかりに殆ど殺害している。(オレンジにそれだけ襲われるあたり、その男は相当狙われやすいらしい)

 それが唯の自己防衛なのか、それとも自身がオレンジにならないよう技と調節している計算高い殺人鬼なのか真実を知る物はさらに少ないが……

 噂自体は、オレンジ本人の口から語られたと言う事もあった事に加え、あまりに怪しい物だったので余り広まらず。現在、かなりのプレイヤーはその異名を彼
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