第74話 廃城炎上
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第74話 廃城炎上
朱里と雛里を新たな家臣にした私は廃城まで70里の時点で兵士達に大休止を取らせることにしました。
斥候から新たな報告があり、廃城近辺の地形について分かったことがあります。
この廃城の正面は開けた平原が広がっていますが、その左右には深い森が広がっています。
私は事前に予定していた策を話した上で、朱里と雛里に改善点を献策するように言いました。
冥琳には事前に二人の能力を見たいことを告げて、了解を得ています。
彼女は二人の献策を採用するかは内容を見た上で判断しますと言っていました。
「正宗様、お聞きした策は正宗様の働きに依存しており、正宗様への負担が大き過ぎるかと思います」
朱里はひと呼吸を置いて、また話し始めました。
「わざわざ、正宗様が敵の本拠地に入り込まなければいけない理由は何でしょうか?」
朱里は私に真剣な表情で聞きました。
「私が一番適任だからだ。理由を知らねばならぬか?」
私は朱里に冥琳に見せたことと同じことが億劫になり不機嫌そうに言いました。
「はい、お願いします」
「お願いします」
朱里と雛里は短く真剣な表情で言いました。
「正宗様、面倒がらずに説明してください」
冥琳は私を困った人を見るような目つきで言いました。
私は溜息をつきながら、衛視の持つ剣を寄越すように言いました。
「こういうことだ」
私は衛視から剣を受け取ると自分の首に斬りつけました。
朱里と雛里は私の行動にショックを受け両手で顔を覆いました。
「二人とも顔を隠さないで私を見ろ」
私が朱里と雛里に声を掛けると、顔を覆う指の間からこちらを恐る恐る見ていました。
「えっ!確かさっき正宗様は剣で首を斬りつけたはず・・・・・・」
「確かに正宗様は首を斬ったはずなのに・・・・・・」
朱里と雛里は私に不思議そうな表情をして聞いてきました。
その後、先日の軍議で冥琳に話した内容と同じことを彼女達に話しました。
「最初からそう言ってください!」
「そうです!凄く恐かったです」
朱里と雛里は私を批判しました。
「今日、冥琳に見せたので、何度も話すのが面倒になってな。すまない」
私は頭を下げて謝りました。
「別に構いません。正宗様が何故あのような愚策を用いようとしたか分かります」
「正宗様の不死身の能力を利用して、廃城を中から切り崩し、その虚を自軍が突くのですね」
朱里と雛里は感心したように言いました。
「不死身は語弊があるな。三刻の間は私の体に傷を付けることが出来る者はいないだけだ」
私は雛里の不死身という言葉が妙にひっかり、訂正しました。
「そうでしゅね。
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