第74話 廃城炎上
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「是の故に百戦百勝は善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」
孫武は戦を下策と言ったそうですが、今度の出征で嫌というほどそれを実感しました。
大勝利を収めようと自軍には少なからず死人がでます。
死んだ兵士達の家族は絶望の縁に落とされ、私を恨むのでしょうか?
それとも黄巾賊を恨むでしょうか?
それは黄巾賊の兵士達の家族にも言えますが・・・・・・。
苛烈な刑罰が正しいのかは分かりませんが、ここまで国が乱れた以上、少なくとも国をまとめあげるまでは必要なことだと思っています。
ですが、そう断ずることができない自分がいるのも事実です。
ときどき、自分のやっていることが正しいのか分からなくなるときがあります。
ですが、私に付いてきてくれる身内や家臣がいる以上、前に進むしかないです。
もはや私は後戻りなどできないです。
この手を血で汚してしまった以上、死んでいった者達の家族のために民が暮らし易い世を実現することが少しでも償いになれば・・・・・・。
・・・・・・。
私のこの言葉は結局のところ自己弁護なのでしょうね。
私は己を嘲るかのように唇を歪め、拳を強く握り締めました。
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