第74話 廃城炎上
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申し訳ありません。正宗様」
「分かってくれればそれでいい」
朱里と雛里はコソコソとまた相談を始めましたが、直ぐに話を纏まったのか私の方を向きました。
「正宗様、改善点を申し上げます。廃城の左右には森がございます。この森を火計にて燃やすべきです。実行の時期は廃城への火計が成功し、混乱した賊が城から出てきて、自軍と交戦が始まった頃が一番良いかと思います。我々と交戦を始めれば、混乱している賊の中から森に逃げ出す者が現れるはずです。火計を施す場所は森の中程が最適かと思います。この場所なら、森に逃げ込んだ賊は逃げることができず火計の餌食になると思います。それに我々が賊を討伐する際に炎に巻き込まれる心配もありません」
朱里と雛里は私と冥琳の策に恐ろしい策を肉付けしました。
かわいい顔をして何て恐ろしいことを考えるのでしょう。
「正宗様、私は良策と思います」
冥琳は私を見て言いました。
「朱里、雛里、私も二人の献策は良いと思う。その策を加え、廃城の黄巾賊を討伐することとする。人選は冥琳、朱里、雛里に任せる」
「畏まりました」
「お任せください」
「お任せください」
冥琳、朱里、雛里の三人は拱手をして応えました。
私は単独で廃城に潜入しました。
廃城の内部は本来5万もの人間を収容する程の広さではないので、あたりには人で埋め尽くされています。
隠れるまでもなく、直ぐに敵に見つかりました。
私は振雷・零式を乱発しました。
的を絞るまでもなく、打てば当たる状態なので楽です。
賊の絶叫があたり一面に木霊しています。
振雷・零式は熱量があるので、木材や藁、賊が強奪したと思われる食料に引火して盛大に炎上しています。
賊達は私を殺そうと弓、槍、剣などを手に襲ってきますが、弓で射られようと、槍で突かれようと、剣で斬られようと傷一つつかいない私に次第に恐怖の表情になっていました。
「ば、化け物だ――――――! こ、こんな奴に勝てるわけがねえ――――――!」
賊は悲鳴を上げ言いました。
「化け物とは酷い。私が名は劉正礼、お前達が恐れる『地獄の獄吏』とはこの私のことだ」
私は態とらしく大仰な素振りで名乗りを上げました。
「りゅ・・・・・・、劉正礼だと・・・・・・。じ、地獄の獄吏がぁ来たぞ――――――!」
賊達の恐怖の表情は更に恐怖に歪み、狂ったように城門がある方角に我先に逃げていました。
彼らは仲間を踏みつけて逃げる者もいれば、早く逃げようと仲間を斬り殺して前へ進もうと躍起になっています。
私は逃げる彼らに無慈悲に振雷・零式を放ちましたが、彼らは味方の死に目をくれず逃げ出しました。
私は当たりにある死体を踏み
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