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SAO─戦士達の物語
SAO編
二十一話 頼み事
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なと言って肩をすくめる。隣に居るアスナは何故か少し緊張しているようだ……

「で?アスナよ、それは此処でしてもいい話なのかな?」
「え、あ、いえ、そうね……」
「答えがおぼついて無いぞー?どうした一体」
「いや、あの……なんでもないの、ほんと。」
「あー、エギル、2階借りるぞ?」
「おう、かまわん」
「…………」
 少々疑問はあるが、俺はキリトとアスナに続いて店の2階へと上がった。

────

「オレンジ討伐の協力要請だぁ?」
「えぇ。それをお願いしたくて。」
 目の前の椅子に座り、何時もの状態に戻ったアスナの出して来た依頼は、少々驚くべき内容だった。

 とある犯罪者《オレンジ》ギルドの討伐依頼。
近々、攻略組のメンバーから大掛かりな討伐部隊を組んでとある大型オレンジギルドの討伐作戦が行われるので、それに参加してほしいと言うのだ。

……って

「一応聞くがな、討伐対象のギルド名を言ってもらおうか?」
 つってもゲーム内最高ランクを誇る攻略組が部隊を組んでまで手を出さなきゃいけないギルドなんざ一つしかないのだが。
この質問に答えたのはアスナの隣で揺り椅子に座るキリトだった。

「笑う棺桶 《ラフィン・コフィン》」
「やっぱりか」
 俺は息を吐きながら座っていたソファに深く腰掛ける。

犯罪者《オレンジ》……否

 殺人者《レッド》ギルド 笑う棺桶 《ラフィン・コフィン》
 通称《ラフコフ》とも呼ばれるこのギルドは、今年の初めから活動が始まり、今なおSAO中にその名を轟かせる、プレイヤー達の恐怖の対象とも言うべきギルドだ。
その主な活動内容は、PK《プレイヤーキル》即ち、[殺人]である。
非常に冷酷かつ頭の良い頭首《リーダー》に率いられ、次々と新手の殺人手段を考えだして既に三桁に上る犠牲者を出している、正に、最凶にして最悪のギルド。

 流石の状況に、ついに攻略組も本気で動かざるを得なくなったと言う事か……そう思い少々ほぞを噛んでいると、目の前のアスナが真剣な面持ちで再び口を開いた。

「リョウ……危険を承知で言うわ。これはこのSAO内で、攻略の全権を任される立場である人間としての私からのお願いです。どうか、この攻略作戦に参加してほしいの、ラフコフは、もう無視できるような存在じゃない。だから……」
「ふむ……話は分かった。」
「じゃあ!」
 アスナの顔が一気に明るくなる。
恐らく俺の性格から受けてくれると思ったのだろう。
確かに、いつもなら友人からの必死の頼みだ。面倒くさがりつつも結局協力するだろう。
しかし返事をするより前に、俺はアスナの眼前に右手を祇出して言葉をさえぎる。

「だがなアスナ──俺はおかしな態度した人間を簡単に信用するほど、お人好しじゃねぇぞ?」
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