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SAO─戦士達の物語
SAO編
二十話 音ならざる言葉
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、リズに失礼な事言わなかったー?どうせあれこれ無茶な注文したんでしょ」
 それは紛れも無く、気兼ねなく話せる友人へと向ける普通の話し方だ。
だが話しかけられながら、段々とリズの持つ眼の光の中のパニックの部分が強くなって行くのを見て俺の嫌な予感は革新へと変わっていく……
不味い。
今のリズにその態度は多分だが不味い!

「あれ……でも、ってことは、昨夜はキリト君と一緒だったの?」
『しまった、そういうことか!』
 それで大体の事は察した。つーかそもそも──

「あ……あのね……」
 そこまで俺が考えた所で、突然リズはアスナの右手を掴み、工房のドアを押しあけてわずかにキリトの方を向き、──ただし明らかに“意図的に”キリトの顔は見ないようにして早口で

「少し待ってて下さいね。すぐ帰ってきますから……」
「おい待っ──」
 と言うと、足早に店内から出て行ってしまった。止める暇も無かった……

「はぁ……」
「リズの奴……てか兄貴どうしたんだ?」
「……なんでもない」
 全くこの義弟は……まさかこんな才能があったとはうかつだった。この数カ月に二人に惚れられるとは!
この間のシリカの時も俺が依頼受けなかったらシリカにもフラグが立っていたかもしれん……

「さて……そういややっぱ二本目作ったんだな?」
「え?あ、ああ。良い剣作って貰えたよ……」
「ほぉ……」
 実はこの義弟。とある事状により、通常一本だけの片手剣を二本作らなければならない理由があったのだ。
まぁそれは後々語るとして……

「リズには見せたのか?」
「なんで、そう思う?」
「勘だ!」
「もうそれ超能力でいいです……まぁ、見せたけどさ」
 作って貰った本人だしな。と言いながら苦笑して頬を掻く義弟を見ながら、俺は驚いて言う。

「ほぉ……んじゃほんとに二人だけで行ったのか?」
「あぁ……って、嘘だと思ってたのかよ?」
「だってなぁ……どういう風の吹きまわしだ?」
「う……」
「別に一人って選択肢が無かった訳じゃあるまい?」
 此奴は……キリトは、ある時からパーティを組む所か、自分から他人に近付く事が極端に少なくなった。
俺と組むこともたまにはあるが、それも本当に稀の稀だ。
そのキリトが初対面でいきなりパーティを組んでダンジョンに赴くなど……殆ど、いや、まったくと言っていいほどこれまでは無かった。

 故に、これは俺の心からの疑問だ。
何故キリトの堅いガードの一つが、リズには解けたのか。
だが……

「……分からないんだ……自分でも、何でいきなりリズとパーティーが組めたのか」
「……そうか」
 聴きたかった答えとは違ったが、案外とそう言う物なのかもと思い、此処は納得しておこうと思う。
だが、

「でも、リズ
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