第二十七話 仙人その十一
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「それはない」
「そうなのか」
「別にそんな特別な存在じゃないのか」
「特に」
「ただ長生きしているだけだ」
それだけだというのだった。
「他には特におかしなところはない」
「まあ百歳超えて講義するのも凄いけれどな」
「背筋はしっかりしてるしな」
「だよな」
だがそれはそれで超絶的なことであったのである。彼等もそのことを話す。
「あの博士だけはな」
「あのまま二百歳まで生きててもな」
「おかしくないよ」
「全くだよ」
これが博士への周囲の意見だった。
「あれはな」
「本当にな」
「確かにな」
彼等のその言葉に頷くところのある牧村だった。彼にしろそう思うところがあったのである。実際に博士にはそういうところが実際にあるのだ。
「あの博士はな」
「二百歳か」
「仙人そのものだな」
「全くだ」
そして皆また言うのだった。
「しかし百超えてまだそういうもの食べるんだな」
「月餅か」
「これ歯にあまりよくないだろ」
彼等は今度は歯の話をするのだった。
「流石にな」
「百歳を超えてか」
「こんなのを食うのか」
「他にも色々と食べているな」
無愛想なままでこのことを話した。
「甘いものをな」
「じゃあケーキとかもか?」
「饅頭もか」
「どれも好きだった」
牧村は彼等にさらに話したのだった。
「博士は。好きだと言うべきか」
「そうか。好きなのか」
「余計に凄いな」
「それに酒もか」
「歯も一本も欠けてはいない」
そのこともだった。それも百歳を超えてである。
「一本もだ」
「それは物凄いじゃないのか?」
「百歳超えて一本もか」
「何ていうか」
皆またしても驚いた。
「やっぱり仙人みたいだよな」
「ああ、だよな」
「幾つなんだ?本当に」
「詳しい年齢は俺も聞いてはいない」
「けれど百歳超えてるんだよな」
「無茶苦茶凄いな」
このことは間違いないことだった。博士が百歳を超えているのがである。それだけは確実なことであったのだ。
「もう特別に年金か何か貰えるんだろう?」
「それでまだ大学にいるし」
「講義もしてるしな」
「その講義もな」
博士は今も講義を持っている。そちらもかなり精力的にしているのである。
「しっかりしてるしな」
「声も大きいしな」
「しかも目もいいしな」
何処までもしっかりしている博士だった。
「それで甘いものも平気で食べるのか」
「何をどうやったらそうなるんだかな」
「長生きしてあそこまでしっかりなんてな」
「博士の言葉ではだ」
その博士の言葉も紹介する牧村だった。
「いつも美味しいものを食べだ」
「美味しいものか」
「まずは食べて」
「そうしてさらによく寝る」
それもだというのである
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