第二十七話 仙人その七
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「そうさせてもらう」
「わかった。それではじゃ」
「いいというのだな」
「結局それしかないからのう」
博士もまた牧村と同じ考えだった。そうしてこう述べて頷くのだった。
「とどのつまりは」
「その通りだな」
「しかし。髑髏天使は謎ばかりじゃ」
それは調べている博士にとってもなのだった。
「調べれば調べる程謎が深まっていく」
「だよね。魔物を倒すっていうのだけで」
「他のことは本当に少しずつしかわからないし」
「おかしな話だね」
妖怪達もここで言う。そして博士はふと気付いた様に述べたのだった。
「そうそう、それでじゃ」
「どうした?」
「面白い本が見つかったのじゃ」
「はい、あれですね」
ろく子がここで出て来た。また首を伸ばしてきたのである。
「あの本ですね」
「左様、ネクロノミコンじゃ」
「ネクロノミコン」
「知っておるのう」
すぐに牧村に顔を向けてその本のことを問うてみせた。
「この本のことは」
「本当にあったのか」
「そうじゃよ。実在していたのじゃよ」
こう何でもないように語る博士だった。
「実はな」
「小説の話の中だけの書ではなかったのだな」
「実を言えばじゃ」
ここで自分の思っていたことを口にしてみせた博士だった。
その口調は妙に神妙な響きがあった。その響きで話すのだった。
「わしもそう思っていた」
「実在しないと思っていたのか」
「しかし何と実在した」
あらためて述べた言葉だった。
「これがじゃ」
「実在したのか」
「話は同じじゃよ。狂気に支配されたアラビア人が書いてな」
「それは本当のことだったのか」
「うむ。そしてそのアラビア人は街中で白昼に多くの者の前で奇怪な死を遂げた」
これもまた小説の中にある通りだというのだ。
「実に奇怪な、な」
「そのアラビア人が書いたネクロノミコンがか」
「バチカンの奥深くにあったのじゃよ」
そうだというのである。
「これがのう。そしてじゃ」
「今読んでいるのか」
「いや、それはまだじゃ」
していないというのであった。
「まだじゃ。しかしじゃ」
「近いうちに解読にかかるか」
「そのつもりじゃ。さて、何がわかるかじゃが」
「魔神のことか」
最初はそれを考えた牧村だった。これは彼が髑髏天使であるから当然のことだった。やはり髑髏天使であるということは大きいのである。
しかしその彼に対して博士はこう返したのだった。
「いや、そうともばかりはじゃ」
「限らないか」
「うむ、限らん」
そしてこうも言ってみせたのだった。
「他の世界のことかも知れん」
「そうか」
「それでもどちらにしてもじゃ」
さらに話す博士だった。
「ネクロノミコンには間違いなく何かがある」
「何か
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