SAO編
十九話 鍛冶屋失踪!?
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するのは、その名前の主の存在の否定。即ち……死
胸中にどうしようもない不安と恐怖を抱えながら、ゆっくりと二人はRの名前が表示される部分へと向かう。
足が重く、歩みも遅くなるが、それでも此処まで来て確認しない訳にはいかない。
ゆっくりと、碑に近付き、上から名前を一つ一つ確認してゆき……そして、一つの名前の上でその視線が制止する。
プレイヤー名は──[Lisbeth]
名前の上に横線は無く、それは、この二人の友人が未だその命を保ち続けている事を示していた。
「よかった……!」
「ああ、流石に心臓に悪いな、これは」
本当に、心臓に悪かったとアスナは思う。此処でリズベットの名前の上に横線が刻まれていれば、自分はどうなっていたか分かった者ではない。
そんな事を思いつつ、糸が切れたようにアスナはその場でへたり込んでしまった。
隣に居たリョウが心配したように声をかける。
「おいおい、大丈夫か?」
「うん、大丈夫……ごめん、安心したら気が抜けちゃって」
「さよか……」
アスナの返答に対し、そう言って少し微笑んだリョウはふと、思いついたようにアスナの後ろで頭の後ろに両手を組みながらこんな事を言った。
「そういや何て言うかお前、柔らかくなったな」
「?、何突然?」
「いやまぁ、リズは友達だから当然かもだけど、全体的に雰囲気っていうか、纏う空気が変わったっつーか」
リョウが「確信は無いけど」と言ってアスナの顔を見ていると、その顔は渋いお茶飲んだようになっている。
「……それ、リズにも言われた」
「おっと、マジか?」
「うん。昨日の朝店に行った時、春先から妙に明るくなって来たって……」
「はっはっはっ!さすがリズだな、年頃の女子の眼ってのはやっぱ侮れんか!」
「んむー。私ってそんなに分かりやすいのかな?」
恥ずかしいのか少々頬を赤らめながら言うアスナにリョウは破顔しながら言葉を続ける。
「まぁ何もお前に限った事じゃあるまい。聞いた限りじゃ、恋をしてる乙女の顔ってのはすぐ分かる物らしいぞ?」
ちなみにこれは、リョウのかつてのクラスメイトが殆どノリで言った言葉であるからして、あまり信憑性は高くは無い。
「もう!からかわないで!!」
「まあまあ、そう怒るな」
言いつつ未だに笑っているリョウを相手に、アスナはますます顔を赤くして喰って掛かるのだった。
「あぁ、そうだ。ちっと墓参りしていいか?」
「お墓参り?」
「あぁ。まだ現実に戻れないしな、たまには墓参りだ。」
「あ、うん」
一瞬、意味が分からなかったのだが、すぐに察して了承する。
リョウはこの碑を墓石と見立てているのだろう。故に、墓参りなのだ。
「で?誰のお墓参りなの?」
「ん?俺の大切な
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