第二十七話 仙人その二
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「それではだ」
「今は座天使でもです」
しかし老人はまた言うのだった。
「さらに強くなります」
「智天使、それにね」
女が言ってきたのだった。
「最上位ともなれば」
「そうです。ほぼ我等に等しくなります」
その強さがというのである。
「ですから」
「最高位になる天使は数あった髑髏天使の中でも僅かだった」
今言ったのは青年だった。
「数人もいなかったな」
「僕達を封印したあの髑髏天使はそうだったね」
子供が言ってきた。
「確かね」
「智天使にしろ滅多になれるものではなかった」
紳士が述べてきた。
「そしてさらに上となるとだ」
「さらに少ない」
美女もまた言ってきた。
「最早数える程度もいはしない」
「しかしそうなればってことだよな」
ロッカーもその言葉は鋭い。
「俺達に等しい力か」
「そうだな」
また応える彼等だった。
「そうなればだな」
「あくまでそうだが」
「それではだ」
「智天使になった時か」
その時だというのだった。
「見極めていくか」
「どういった存在になるのか」
「あの髑髏天使」
他ならぬ牧村のことである。
「一体どうなる」
「それで」
「そしてです」
ここでまた老人が口を開いてきた。
「キリムさんが来られましたがまた御一人」
「出て来たというのね」
「そうです」
まさにそうだとその美女に答える老人だった。
「その通りです。これで十人ですね」
「増えてきたな」
黒人はそれを聞いて述べた。
「かなりな」
「ええ、これで」
「また」
彼等は口々に言っていく。
「仲間達が増えていく」
「これで」
「十二人になれば」
「どうするかだが」
「それに」
ふと美女がまた言ってきた。
「気になることが一つある」
「一つ!?」
「一つとは」
「気配を感じることがある」
美女は言うのだった。
「どうもな」
「気配!?」
「というと」
「何者のだ?」
「まず言っておくが死神のものではない」
彼ではないというのだ。
「あの男のものではな」
「それではないのか」
「違うのね」
「そうだ。違う」
そうではないというのである。
「あの男でも眼神でもない」
「では何だ?」
「何の気配だ?」
「それがわからないのだ」
そこまでは美女にしてもわかりかねるものだったのである。しかしその中でもこう述べる彼女であった。その述べた言葉が何かというと。
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