第二十七話 仙人その一
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髑髏天使
第二十七話 仙人
「遂にだった」
「その通りです」
美女と老人であった。彼等が仲間達に述べていた。彼等は今は暗黒の中にいた。その中に漂うようにして立ちながら話しているのである。
「座天使になった」
「上位の天使になりました」
「もうか」
それを聞き終えた青年が呟いた。表情も険しいものになっている。
「もうなったというのか」
「幾ら何でも早過ぎるね」
今度は子供が述べた。
「こんなに早い進化というか成長はなかったんじゃないかな」
「そうね。かつてなかったわ」
女も述べた。
「これまでの髑髏天使の中では」
「有り得ない速さだ」
男も言うのだった。
「ここまで速いのはな」
「何かあるな、これは」
ロッカーもいつもの余裕はなかった。
「あの髑髏天使にはな」
「だとすればそれが何かだ」
紳士も言った。
「何がある、あの髑髏天使に」
「気配を感じた」
ここで言葉を出したのは美女だった。
「明らかにだ。人とは違う気配をだ」
「人とは違う」
「どういうことかな、それは」
「一体」
他の魔神達は彼女の言葉に問うた。
「気配というと」
「それでわかったみたいだけれど」
「だとすれば」
「どういうことだ」
「つまりはです」
美女と交代する形で老人が彼等に説明をしてきたのだった。
「その気配が我々に近かったのです」
「我々にか」
「つまり魔物にか」
「いえ、魔物ではありません」
だがここでそうではないとも述べた老人であった。そうしてさらに言うのであった。
「魔物ではなく」
「となると」
「何だ?」
「私達です」
こう言うのであった。
「我々に近くなっています」
「我々にというと」
「神にか」
「そう、魔神にです」
まさにそれだというのである。
「それになってきています」
「魔神にか」
「それになってきているのだな」
「そうです」
老人はまた答えたのだった。
「我々と同じ存在に」
「しかしそれは」
「真なのか」
それを聞いても今一つ実感の内観時の他の魔神達だった。
「魔神になるとは」
「そうなるのか」
「しかもだ」
男がその中で老人に言ってきた。
「まだ座天使だったな」
「そうです」
そうだと答える老人だった。
「今それになったところです」
「ではまだではないのか」
男はそれを聞いてまた述べた。
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