暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第二十七話 仙人その一

[8]前話 [2]次話

                    髑髏天使
                  第二十七話 仙人
「遂にだった」
「その通りです」
 美女と老人であった。彼等が仲間達に述べていた。彼等は今は暗黒の中にいた。その中に漂うようにして立ちながら話しているのである。
「座天使になった」
「上位の天使になりました」
「もうか」
 それを聞き終えた青年が呟いた。表情も険しいものになっている。
「もうなったというのか」
「幾ら何でも早過ぎるね」
 今度は子供が述べた。
「こんなに早い進化というか成長はなかったんじゃないかな」
「そうね。かつてなかったわ」
 女も述べた。
「これまでの髑髏天使の中では」
「有り得ない速さだ」
 男も言うのだった。
「ここまで速いのはな」
「何かあるな、これは」
 ロッカーもいつもの余裕はなかった。
「あの髑髏天使にはな」
「だとすればそれが何かだ」
 紳士も言った。
「何がある、あの髑髏天使に」
「気配を感じた」
 ここで言葉を出したのは美女だった。
「明らかにだ。人とは違う気配をだ」
「人とは違う」
「どういうことかな、それは」
「一体」
 他の魔神達は彼女の言葉に問うた。
「気配というと」
「それでわかったみたいだけれど」
「だとすれば」
「どういうことだ」
「つまりはです」
 美女と交代する形で老人が彼等に説明をしてきたのだった。
「その気配が我々に近かったのです」
「我々にか」
「つまり魔物にか」
「いえ、魔物ではありません」
 だがここでそうではないとも述べた老人であった。そうしてさらに言うのであった。
「魔物ではなく」
「となると」
「何だ?」
「私達です」
 こう言うのであった。
「我々に近くなっています」
「我々にというと」
「神にか」
「そう、魔神にです」
 まさにそれだというのである。
「それになってきています」
「魔神にか」
「それになってきているのだな」
「そうです」
 老人はまた答えたのだった。
「我々と同じ存在に」
「しかしそれは」
「真なのか」
 それを聞いても今一つ実感の内観時の他の魔神達だった。
「魔神になるとは」
「そうなるのか」
「しかもだ」
 男がその中で老人に言ってきた。
「まだ座天使だったな」
「そうです」
 そうだと答える老人だった。
「今それになったところです」
「ではまだではないのか」
 男はそれを聞いてまた述べた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ