第二十六話 座天その二十
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「そうよね。今度受けたならば」
「それを見越しているというのか」
「そうよ。そのダメージを見れば」
既に彼の鎧は先程の攻撃によってかなり損傷している。しかも衝撃のダメージであったので鎧を着ていても完全には消えない。彼がダメージを受けているのは明らかであるのだ。
「わかるわ」
「そうか。それでか」
「覚悟する必要はないわ」
魔物はまた言ってきた。
「私の中でこれから永遠に」
「生きろというのか」
「さあ、行くわよ」
言いながらいよいよ突進に入る。
そのまま攻撃に入ろうとする。髑髏天使はそれをかわそうと考えた。しかしであった。
「ぐっ・・・・・・」
突進で受けた痛みが今になって彼を襲った。それは鈍いものでかなり広くに渡っていた。
それにより動きが鈍るのは明らかだった。かわせる絶対的な保障はなくなった。
「まずいか」
次の攻撃をかわせなければだ。彼は間違いなく倒れる。それを意識せずにはいられなかった。
魔物は今にも来ようとしている。勝負はつきかねない状況になった。だがその時。
全身が輝いた。黄色い光に包まれる。そしてその中で彼の鎧と髑髏も黄色いものになったのである。
「黄色!?」
「まさかここでか」
魔物も髑髏天使もそれぞれ声をあげた。
「あらたな天使になったのか」
「座天使ね」
魔物もそれを見て言ってきた。
「それになったというのね」
「そうだな」
それは髑髏天使が最もよくわかっていることだった。
「この力は。座天使のものだ」
「上級の天使になるなんて」
魔物は恐れてはいなかった。むしろ恍惚とした様な声になっていた。
そしてその声で、であった。彼女は言うのだった。
「素晴らしいわ。そしてそれを見られるなんて」
「それだけ喜ぶべきことなのか」
「ええ、そうよ」
まさにその通りだというのだった。
「貴方をさらに倒したくなったわ」
「なら来るのだ」
髑髏天使も引かなかった。
「俺もこの力を見よう。どんなものかな」
「行くわよ」
あらためて突進に入る魔物だった。
「そして今度こそ」
「傷が回復しているか」
ここで髑髏天使はそのことにも気付いた。
傷だけでなく鎧もであった。完全に元に戻っていた。
当然痛みもない。それどころか前よりもさらに力に満ちていた。
「いける」
「いけるのね」
「貴様に勝つ」
魔物に対しても告げたのだった。
「この力でだ」
「座天使の力」
魔物もまたその力について考えを及ばせた。
「それは一体」
「俺にもまだそれはわからない。しかしだ」
「しかし?」
「貴様を確実に倒す」
これは間違いないというのだった。
「何があろうともだ」
「私をその力で倒すと」
「行くぞ」
言うとだった
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