第二十六話 座天その十五
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彼女は左に反時計回りに動きだした。それを受けて死神は。
彼もまた同じ方角に動いた。それにより動きながら対峙を続ける。
その中で、であった。死神は鎌を一閃させてきた。
「むっ!?」
「この鎌からはだ」
一閃させながら言うのだった。
「こうしたこともできるのだ」
「鎌ィ足か」
「そうだ、それだ」
放ってからの言葉だった。
「さて、これは防げるか」
「造作もないことね」
魔物はその鎌ィ足を見ても落ち着いたものであった。
「何かと思えばね。ほら」
「むっ!?」
楯を前に出しただけであった。それでその鎌ィ足を何でもないといったように防いでしまった。本当にそれで終わりなのだった。
「この通りよ」
「言葉に偽りはないということか」
「私は嘘を言うことはないわ」
声が笑っていた。
「決してね」
「それではだ。その槍もか」
「その通りよ。ほら」
言いながらだった。いきなりその槍を投げてきた。
死神はそれを一瞬だけ身体を消すことでかわした。すると槍はコンクリートに突き刺さった。実に深く刺さり小回りを粉々にしてしまった。
死神はそれを横目で見てだ。そのうえで述べた。
「貫けぬものはないというのも」
「この通りよ」
言う魔物の右手にはもう槍が備わっていた。
「これでわかったわね」
「認めることは認める」
こう返す死神だった。
「その言葉が嘘ではないということはだ」
「この最強の槍と楯」
魔物の言葉は誇らしげなものになってきていた。
「貴方に破れるものではないわよ」
「その言葉は認めない」
その自分に破れないということは、であった。
「今の言葉はだ」
「では破れるというのね」
「私は今まで破れたことはない」
死神は動きを止めていた。魔物も同じでそれぞれ構えたまま対峙していた。
そうしてであった。対峙しつつそれぞれの隙を窺っているのである。動いた方が攻撃を仕掛けられる、そうした緊張した状態になっていた。
「一度たりともな」
「それも今日で終わりね」
「そうした言葉も幾度も聞いてきている」
やはり負けてはいない。
「それも言っておく」
「面白いわね。ここまで気が強いと」
「どうだというのだ?」
「闘いがいがあるわ」
今度はその顔も笑っていた。凄みのある笑みである。
「とてもね」
「そう思うのだな」
「ええ、そうよ」
言いながら一歩出た。
そしてそれと共に槍を繰り出す。それも一瞬消えてかわす死神だった。
攻撃はかわす。しかしであった。
死神は鎌を繰り出す。だがそれは左手の楯に受け止められてしまうのだった。
「生憎だったわね」
「見切ってもいたな」
「そうよ。見切っていれば後は簡単なことよ」
その自信に満ちた笑みは変わ
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