SAO編
十七話 あれは所謂──
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さて、騎士姫ことアスナとの奇妙な夜が明けてから次の日の事、
その日俺は、今日一日を休暇の日と定めることにした。
SAOに置いての気象と言うのは、あらゆる気象パラメータの調子が、ランダムに設定される事で決定される。
それはとりあえず季節に始まり、大体の温度湿度等の決定は此処だ。
ちなみにこの季節設定、冬はすげぇ寒いし夏はマジで暑い。
ここからさらに、季節の範囲内での気温、湿度、風速、雨や雪、ほこりっぽさ、小虫の群れまで、細かい項目の全てがランダムで設定され、まぁ大体はそのすべてが好条件と言うのは無い。
のだが、一年三百六十五日、その内のたった数日だけ、その殆どが好条件と言う日があるのだ。
しかもそれが過ごしやすい春や秋だと言う事など、最早これは神様の贈り物と言う他あるまい。
「断言しよう!良い天気ってのはまさに今日この日のためにある言葉だ!」
と言う訳で、急は休暇だ。少々テンションも高い。
取りあえず、俺は普段からポーション及び毒消しの安売りを行っている店に買い物でも行くためのんびりと、屋台で買ったクリームサンドウィッチ(っぽい)を食みながら賑やかなとある階層の主街区を進んでいたのだが……
「おや?ありゃあ……」
広場の斜面になっている芝生の上に、寝転がった状態の見覚えある黒い影ひとつ。
近づいてみると予想どうり。我が義弟こと、キリトである。
近くへ行き、気持ちよさそうに寝転がっている義弟に声をかける。
「ご気分はいかがですかな?坊っちゃん」
「最高ですね、兄貴殿」
「はは、そーりゃよかった。隣いいか?」
「勿論」
にやりと笑ってキリトが了承の意を返したのと同時に、俺はキリトの横の芝生にごろりと寝転がり、ちょっとしたセキュリティ操作をしてから目を閉じる。
うむ、実に昼寝日和
「いやぁ……良い天気だねぇ……」
「まったく」
俺のつぶやきにキリトも短く同意を返す。
そのまま暫く、二人でのんびりと寝転がっていたのだがふとキリトが口を開いた。
「最近、どうだ?アイツとか」
「んー?問題なく、のんびり暮らしてるよ。偶に俺が買い物頼まれるくらいだな。元気だぜ?」
「そっか」
ボソッと、そう返すキリトに何を言うべきか迷ったが結局は世間話になった。
あまりまじめな話は俺には向かないと自負している。
「お前もたまには買い物とかしたらどうだ?」
「それを言うなら兄貴の情報くれよ、買い物系の情報兄貴の得意分野だろ?」
確かに、俺は買い物が得意である。
あらゆる階層のあらゆる店の情報を稀に情報屋を使ってまで集めているおかげで、良い物を安く買うと言う、正に買い物の基本を完璧に実践した様な事が出来ているのだ。
「ふむ……十三、東、最南、大通見、N武器、裏道、三軒、結
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