SAO編
十七話 あれは所謂──
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りではないが大通りがあり、そこの食材屋、実は夕方の4時ごろからタイムセールと言うべきか安売りになる。
その食材を買い求めに行っていた訳だ。
歩きつつ、俺は午前のことを思い出し一人微笑む。
あのアスナの反応は、それはそれは面白かった。まさか寝ろと言われて本当に寝るとは思っていなかった分、それはひとしおだ。
あの後、どうなったのか俺としても非常に興味のある所であり、そのせいか俺の脚は転移広場に行くにはいささか遠回りとなるあの芝生の広場へと向いていた。
まぁ、あれから七時間近くも経っているし、もう居やしないだろうが。
「おいおい……マジか」
そこには、あいも変わらず朝と同じ状況だった。
緑の芝生の上に並んでいるのは二つの影、一つは黒、もう一つは白だ。
シルエットからでも、それがキリトとアスナであることは明白だ。
変わっているのは、キリトが上体を起こしている事とギャラリーが遠目にクスクス笑ったり、記録結晶のフラッシュをたいたりしているぐらいか。
まぁ、気持ちは分かる。
それほど、この二人の組み合わせは珍しいのだ。
詳細は省くが、この二人が一緒に昼寝をすると言うのは、学校一の秀才で生徒会長の女子生徒と、頭は良いがはみ出し者の不良男子生徒が一緒に昼寝してるのと同じくらい奇妙なのだとだけ言っておこう。
と、キリトと俺の視線が遠目ながら合った。
キリトの助けを求める様な視線に対し、俺はゆっくりと振り向いて我が家へ……
突如、新着のメッセージが届いた事を知らせる電子音が俺の耳に響く。
「うん?っと……」
From:Kirito
Main:逃げんなぁぁぁぁ!!!
はいはい分かったよ……
「で?まだ寝てると?」
「そう言う事」
俺は今、キリトの隣に座っている。
ほんとはあのまま逃げても良かったのだが──まぁ、寝ろと言った一人は俺であって、その代償としてキリトに付き合うと、そう言う事だ。
「お前も律儀だねぇ」
「ほっとけ、これでなんありゃ後味悪すぎる」
言った俺にふてくされたようにキリトは答える。
この世界、ソードアートオンラインの舞台アインクラッドでは、街中は、[アンチクリミナルコード有効圏内](通称「圏内」)に設定されている。
簡単に言えば、この圏内では幾ら剣を振ろうが当てよう絶対に他のプレイヤーを傷付けることはできない。毒やその他の犯罪行為も一切無理だ。
これはシステム上の設定なので、本来絶対に崩す事は出来ない……はずなのだが。
実はこの設定、相手が熟睡しているか気を失っていれば、案外簡単に相手を殺す裏技がある。
その詳細についてはやっぱり省く。
今は取りあえず、誰かが付いていないとこの眠り姫が死ぬかもしれない。と言う時可能性だけあれば十分だ。
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