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SAO─戦士達の物語
SAO編
十六話 悪夢と夜明け
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ほどの仲だ。

 だがやはり、それほどの友人が多く居る訳ではないし、休日が少ない事が変わるわけでもない。
 そもそもこの休日の少なさは自ら望んだものなのだ。
一刻も早くこの世界から出なければならない自分にとって、休みなど邪魔な物。そう思うがゆえに、休めと言われてもアスナは休む事を拒んできたのである。
そしてそれはこれからも変わらない──この狂った世界を脱出するまでは。

「ふーん……まぁそれがお前さんの考えか」
「ええ」
 即答する。
それ以外の選択肢などありえ無いし、迷うつもりも無い。

「ま、それももまた一つ……か。でもなぁ」
「?」
 言葉を続けたリョウの顔は至極真剣な物で、さっきまでののんびりとした青年とは別人のようだ。
何処となく、自分の知っている誰かに似ている様な気がしたが、それが誰だかは分からなかった。

「やっぱ、たまには休めよ?」
「…………」
「迷惑かも知れんがな、勝率100%じゃ無い勝負を無限に繰り返し続ければ、いつかは負ける時が来るんだ。だからまぁ、たまには休息も必要だって納得しろ」
「……考えておきます」
 少々そっけなく返事をして、少しだけうつむく。
冷静になればリョウの言っている事が正しいのは理解できるが、自分がそれを実践できるかは、現段階では分からない。


「さて、んじゃもう一つ聞きたい事がある。いいか?」
「ある程度なら」
 流石にギルド内部の情報等は答えられないため、そう答えつつアスナはもう一口カップのアイスティーに口を付ける。


「お前さん、好きな人とかいねェの?」
「〜〜〜!!?」
 いきなりの質問に、アスナは口の中に含んでいたアイスティーを噴き出す。
リョウとアスナはランタンを挟んで向かい合って話していたため、当然噴出されたアイスティーは……

「うわ冷たっ!汚なっ!おまっ、バカっ!」
「ケホッ!ゲホッ!変な事、言うからです!いきなりなんなんですか!?」
 まじめな顔して突然恋愛の方面に話が飛べば、いくらなんでも誰だってこんな反応をするはずだ。
ましてや男女間である。
これで非難されるのは理不尽と言う物だ、そう思いつつ、アスナはいきなりのリョウの質問にその意図を問い返す。

「何でそんな驚く?別に深い意図は無いんだが……女子ってそういうの好きだろう?」
「だからって、いきなりその質問ってどうなんです?ナンパか何かだと思われますよ?」
 恐らく自分の今の眼は世に言うジト目になっている事だろう。

「あー、確かにそうか……気をつけよう、すまん。」
「そう言う所も無頓着なんですね……まぁ良いですけど……」
 実際、そう言う質問が飛んできた事が過去に無かった訳ではない。
と言うか、結構ある。ので、答えも考える前も無く用意済みだ
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