第二十六話 座天その一
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髑髏天使
第二十六話 座天
「目玉なんだ」
「そうだ、目玉だ」
あの闘いの翌日牧村は博士の研究室に向かった。そこでこう妖怪達に話していた。
「目玉が出て来た。瞼に覆われていて左右に羽根が生えたな」
「っていうと」
「こんなのかな」
妖怪達は彼の言葉を聞いてすぐに紙と鉛筆で絵を描いた。するとそれは目が黒い幕でまさに瞼として覆われ左右に小さな羽根が生えたそれであった。
「こんなの?」
「こういうの?」
「そのままだ」
まさにそれだと。彼等に答える牧村だった。
「それが出て来た。俺の前にな」
「ふむ」
それを聞いてだ。頷いたのは博士だった。当然彼も部屋にいる。そうして今度はパピルスに書かれた象形文字を見ているのであった。
「それが出て来たのじゃな」
「知っているようだな」
妖怪達と博士の双方の言葉を聞いて言った牧村だった。
「あれが何か」
「あれも神じゃよ」
博士が彼に答えた。
「あれもな」
「神か」
「そうじゃ。あれは監視の神じゃ」
それだというのである。
「それが司るものじゃ」
「監視のか」
「あの死神と同じ世界の神じゃ」
こうも話すのだった。
「じゃから一緒にいるのじゃ」
「そうだったのか」
「しかし特に悪い神ではない」
博士の言葉は続く。
「人間に何かをするわけでもなし。死神とただ一緒にいるだけじゃよ」
「わかった」
そこまで聞いて納得して頷く牧村だった。
「では特に気にすることはしないことにする」
「まあそれがいいね」
「何もしてこないからね」
妖怪達も牧村の今の言葉に頷く。
「それでだけれど」
「また魔神が出て来たんだね」
「今度もアフリカだ」
黒人と同じだというのである。
「黒い肌の女だ」
「キリムじゃったな」
その名前も既に知っている博士だった。彼もまたもう話を聞いているのである。
「今度出て来たのは」
「自分で言うには七つの頭を持つ竜だというが」
「うむ、そうじゃ」
まさにその通りだと答える博士であった。
「文献にも書いておる」
「今のその象形文字にか」
「凄いものじゃ」
そのパピルスの象形文字を見ての言葉である。
「ここまでわかるとはのう」
「昔のエジプト人はそこまでわかっていたのか」
「左様、どうやらアフリカの奥深くまで入っていたようじゃ」
こう牧村に話す。
「そして書き残していたのじゃよ」
「エチオピア辺りまでと思っていたが」
「違ったようじゃな。それが」
それ以上だったというのである。博士が今持っているそのパピルスによればだ。
「それもわかるかなり凄い資料じゃよ、これは」
「というよりかです
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