第二十五話 魔竜その二十四
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「私をこうして倒すなんて」
「主天使だけはあるということか」
「いえ。それだけではないわね」
「それだけではないというのか」
「感じるわ。貴方から」
その彼を見ての言葉である。
「貴方は次第に・・・・・・」
こう言ったところで姿を消した。完全に青白い炎に包まれたのだ。
後に残った髑髏天使は自然とその紫と黒の混沌とした世界から出て来ていた。元のスタジアムの前に一人で立っていた。
その彼に対して。死神が声をかけてきた。
「今回も勝ったのだな」
「ああ」
応えながら前に転がっている己の剣を拾う。それから述べたのだった。
「生き残ることができた」
「見事だと言っておこう」
その彼に対してこう告げた死神だった。
「どうやって勝ったのかは知らないが」
「悪夢というものはわかった」
こう言うだけの髑髏天使だった。
「それはな」
「では悪夢はもう恐れないのだな」
「夢を恐れていては何にもなれはしない」
髑髏天使から牧村に戻っての言葉だった。
「何にもな」
「髑髏天使にもだな」
死神はあえて髑髏天使をその話に出してみせた。
「そうだな」
「そういうことだな。それではだ」
牧村は後ろを振り向いてそのうえで自身のサイドカーに向かって歩きだした。今は死神を見てはいなかった。
「帰るとしよう」
「また会うことになる」
死神は己を見ない彼にこのことを告げた。
「それはわかるな」
「わからなかったとしても出て来ると思うが」
「その通りだな。戦いはまだ続く」
死神はまた彼に告げた。
「だからこそだ」
「それなら戦いが終わるまで俺は髑髏天使になる」
サイドカーの前に来た。
「それだけだ」
「そうか。人間として」
「俺は人間だ」
当然だといった返答だった。
「そして髑髏天使だ」
「その言葉覚えておく。それではだ」
死神も既に元の姿に戻っていた。あのジーンズ姿である。
「また会おう」
「そうだな。またな」
「ああ、ちょっと待って」
しかしだった。ここであの目玉が出て来た。そうして牧村に対して声をかけてきたのだった。
「いいかな、髑髏天使」
「何だ」
サイドカーに乗りヘルメットを出そうとしたところで目玉に応えた。
「何の用だ」
「君さ、大丈夫かなって思ってね」
「大丈夫かだと」
「うん。何か歪な感じがするから」
彼に言ってきた言葉はこれだった。
「だから気になってね」
「俺が歪だというのか」
「こんな髑髏天使ははじめてだよ」
そしてこんなことも言ってきたのだった。
「何か凄く。変わった感じで」
「俺が変わり者なのは自覚しているが」
「いや、そうじゃなくてね」
それとはまた違うというのである。
「何か。人間?だよね」
「俺
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