SAO編
十五話 夜の森で出会う
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確かですから、今夜はあきらめましょう。」
「さいで」
そうして、彼女は森の別方向へと行こうとする。ありゃ?
「何してる?安地はこっちだぞ?」
「?何で安地まで行く必要があるんですか?」
攻略ギルドには情報が集まるはずだよな?何で知らんのだこいつ……
それから俺は、この林の夜における特性などについて、懇切丁寧にアスナに説明した。
全てを聞き終わったアスナは、まさしく「苦虫をかみつぶした顔」と言うに相応しい顔をしていた。
「……つまり、今日はもう、」
「まぁ、此処の安地で野宿するしかねぇわな」
「………………」
「なんだその眼は。」
「別に何も思ってません、ただ、何かしようとすれば即座にハラスメントの通報をするって事だけ言っておきます」
「そりゃ自意識過剰ってもんだよ、お嬢さん?」
「なっ……!」
軽い皮肉で返してやると、アスナは顔を真っ赤にしている、眼に宿るは墳怒と羞恥。ふむ、少し刺激が強かったか?
『まぁ……どうにかなるか?』
そう思いつつ、俺は歩き出した。
「さて……取りあえず飯にするか。」
安地に入っての俺の第一声はそれである。まぁ先ずは何をおいても飯。腹が減っては戦は出来ぬは、生き物の鉄則だ。
「…………」
「なにしてる?器は貸すからお前も自分の分の食材とか出したらどうだ?」
フライパンや無限ポットを出しつつ、安地の入り口で突っ立ったまま口を開かないアスナのほうを向いてそう話しかける。
「……んです」
「……はい?」
「持ってきてないんです。食べるもの……」
成程ね。
恐らく帰れるつもりでここに来たからだろうが、案外とうっかりしてるんだな。
「はぁ……分けてやるから座れ」
呆れて言うと、アスナは少しむっとしたように強気な声で返してきた。
「憐れまれるほどじゃありません。ご心配無く」
「あのなぁ、腹へって無いのか?」
「……別に大したことありません。」
そう言う割には此方から……と言うか食材から目をそむけて──「ぐうぅぅぅぅ」
「もう一度聞く。腹へって無いのか?」
「……減ってます。」
顔を赤くして眼には羞恥を宿し、同時に少々悔しそうにしながらも、アスナは己の空腹を認めた。
「分けてやるからこっちに来て座りなさい。」
「はい……」
「よろしい。」
全く……なんだってこう、変な所で意地っ張りなのかね?この娘。
「…………」
「…………」
飯を食いつつ思う。
会話がないなぁ、此奴とだと……
というわけで仕方ないし、こっちからアプロ―チだ。
「所で、」
「……なんですか?」
「そう睨みなさんな、恐ろしいから。」
いやほんと、眼力で人が殺せそうだぞおまえ。
「何でこんな時間にダンジ
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