第二十五話 魔竜その十七
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「俺がだ。この時代の髑髏天使だ」
「成程ね。何か見たところ」
「何だ?」
「かなり強いね」
すぐにそれを見抜いた目玉だった。
「これまでの髑髏天使の中でも相当かな」
「半年にもなっていないがもう主天使だ」
その目玉に対して死神が教えてきた。
「半年にもなっていないのだ」
「へえ、それは凄いね」
目玉は彼のことばを聞いてあらためて言ったのだった。
「そこまで強くなるのが早い髑髏天使って今までいなかったんじゃないかな」
「いたことはいた」
それはいたというのである。
「しかしだ。この男の強さはだ」
「滅多にない程なんだね。成程ね」
「それを見たいか」
「うん」
その通りだと答えたのだった。
「是非ね」
「では見るがいい」
こう目玉に対して告げた死神だった。
「そこでゆっくりとな」
「そうさせてもらうよ」
死神は彼に応えてからまた姿を消した。後に残ったのは死神だけになった。
その彼がだ。魔神達を見ながらゆっくりと前に出た。そう動きながら彼等に対して問うのだった。
「それでだ」
「うむ」
「闘いのことだな」
「そうだ。私の相手は誰だ」
こう彼等に対して問うのだった。
「誰でもいいのだが」
「そうだな」
美女が彼の言葉を受けてまた声を出してきた。そうして自分の隣に控えているその禿げた男に対して声をかけたのであった。
「死神にするか」
「それでは」
彼は主である魔神の言葉に恭しく応えたのだった。
「そうさせて頂きます」
「それで決まった」
美女は彼の言葉を受けてそのうえで頷いたのだった。
そして次は。紳士が牧村に対して声をかけてきた。
「わかるな」
「言われるともな」
わかると返す牧村だった。
「俺の相手は貴様の手の者か」
「そうだ」
まさにその通りだというのであった。
「いいな、それで」
「相手は誰だ」
一段階をあえて飛び越えた問いであった。
「それで今度は」
「この者だ」
言うとだった。紳士の右に一人の幼い少女が出て来た。彼女だというのである。
「ヴァンパイア様」
少女はまず主に問うてきたのだった。
「髑髏天使を倒していいのですね」
「その為に呼んだ」
紳士は彼女の問いにこう返してみせた。
「だからだ。好きなだけ暴れるといい」
「はい」
少女はそれを受けて微笑んだ。
「それでは」
「俺の相手は貴様か」
「遊ばせてもらうわ」
髑髏天使に顔を向けての言葉だった。
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