SAO編
十三話 居場所は違くとも
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上手い店が交換条件な?」
「そんな食いしん坊に見られてるんですか?私」
「そう言う事じゃなくてだな……要は別に住んでる所や戦う場所は違くても、俺とおまえの人間関係は変わらんって事」
「あ…………」
「レベルの差ってのは強さの差だ、別に数字の差ごときで人間の格の差が生まれるわけでなし、いつも顔を合わせてる訳じゃ無かろうが、シリカが俺のダチだって事にゃ変化はねぇよ」
「はい……はい……!」
な?と言って、指を離しニカッっと快活に笑うリョウを見て、シリカもようやく笑顔を取り戻し、頷きながら返事をする。
その過程で涙がこぼれるが、それは先程までとは違う。喜びによって透明に澄んだ涙だった
─────
「それじゃそろそろ、ピナも生き返らせてやるとしようかね?」
「はい!」
シリカは頷くとメニューウィンドウを呼びだし、アイテム欄から《ピナの心》と《プネウマの花》を実体化させる。
高まっていた気持ちも落ち着き、ティーテーブルの上の水色の羽を見た後、リョウの方を見る。
「花にたまってた滴を、心アイテムに振りかけろ。それで蘇生が出来る」
「はい……」
色々な事が胸の中で回る中、シリカはゆっくりと花を傾け、花の上へと滴を垂らす。滴が羽に当たった瞬間、羽が光輝き、徐々にその姿を変え始める。光が収まった時、そこには会いたくてしかたの無かった水色のふわふわとした相棒の姿があった。
ピナとシリカが再会を喜び合っている間、リョウは微笑みながらその姿を見ていたが、唐突にシリカが口を開いた。
「そう言えばリョウさん、音楽スキル上げてるっておっしゃってましたよね?」
「ん?ああ」
それは、昼間フローリアのメインストリートを歩いているときに聞いた話だ。リョウは趣味で、音楽スキルを上げていると。(その時意外そうな顔をしたら一発チョップをもらったのだ。)
「一曲だけ、お願いできませんか?この子へのお祝いの意味含めて」
それは、最後の少しだけの我が儘だ。この後分かれる事を思うとどうしてもそう言う事を言いたくなってしまう。
「ふむ……いいぞ。そこ座れ」
「はい」
頷いたリョウは、シリカがベットに座るのを見届けると、ウィンドウを操作し始める。
やがて、オルガンの様な音の伴奏が流れ始めた。
「これは独奏でやっても迫力に欠けるからな」
そう言うリョウが取り出したのはヴァイオリン。やがて、リョウがオルガンの音に乗るかのごとく旋律を奏で始める。
音楽スキルを持つ物は、こうして自分の演奏を録音しておくことで、自分が引いた旋律等を何時でも好きな時に流せる。しかもそれを一つの曲として保存しておき、自分がどれか一つのパートを演奏する事も出来るのだ。
今回演奏する曲。
その世間一般的に知られる呼称
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