第二十四話 妖異その四
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「それは感謝してるわ」
「そうか」
「ええ。とてもね」
その笑顔でまた兄に告げる。
「これからも御願いね、お兄ちゃん」
「わかった」
妹に対して静かに頷いて答えるのだった。
「それではな」
「そういうことでね。それでお母さん」
「今度は何なの?」
「デザートとかは」
「枇杷よ」
それだというのである。
「枇杷買っておいたから」
「そう。枇杷なの」
「これは皆好きでしょ?だからそれにしたのよ」
こう答えるのだった。
「枇杷にね」
「そうなの」
その通りだった。未久は枇杷と聞いてさらににこにことしだした。本当に好きなのがわかる顔である。
「枇杷なのね」
「まずは御飯を全部食べてからよ」
「ええ」
「しっかり食べないとね」
これは絶対という口調だった。
「さもないとどうにもならないからね」
「そうそう。食べないと動けないしお勉強もできないしね」
「あんたよく食べるけれどね」
「育ち盛りだからよ」
その笑みで母にまた言葉を返す未久だった。
「だからなのよ」
「まあそれで背とかはもう言わないけれど」
いい加減疲れたのでその話は止めた。そのうえで今度は息子に対して顔を向けて言うのだった。
「あんたも最近さらに食べるようになったわね」
「そうだな」
「食べるのはいいことだけれどね」
それはよしとする母だった。
「けれど前の倍は食べてるわよね」
「そうよね」
未久も母の今の言葉に強く頷くのだった。
「間違いなくそれだけは食べてるわよね」
「二十歳になってからね」
そうなった時のこともはっきりと把握されているのだった。
「今みたいに食べるようになったのは」
「部活もはじめたしね」
未久はこのことにも言及した。
「そのせいよね。今みたいに食べるようになったのは」
「身体を動かしてそれで食べるのはいいことよ」
母もそれはいいというのだ。
「幾ら食べてもね。ただし」
「ただし?」
「バランスよく食べること」
このことを強く言ってきたのだった。
「身体にいいものをバランスよくたっぷりとね」
「バランスか」
「実際にバランスいいでしょ、今日のメニューも」
それについても話された。
「鯖にほうれん草によ。お味噌汁って」
「確かにな」
「納豆もあるし」
それもなのである。確かにバランスとしてはかなりいいと言えた。
「しっかり食べなさい。いいわね」
「そうさせてもらう」
「本当はお米も」
母は主食についても言及した。
「あれなのよね。白米よりも麦を入れたり玄米を入れた方がずっといいのよ」
「玄米!?」
未久は玄米と聞いて幼いながらも整っているその眉を顰めさせてきた。
「玄米なんか食べるの?」
「身体にいいのよ」
「
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