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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
13.任官
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いるのだ。衛士になることを第一義として生きてきた人間が、それ以外のものに命をかけるだけの価値を見出せるのか。そう言っているのだ。
「だから中尉は俺にあんなことを…?」
「どうなんだろうね。あの時はほとんど私情だったし、なんとも言えない。でも一つ確かな事は……私はお前に死んでほしくないってことだ。いや私だけでなく幼い子供たちすべてにとってお前の生死は重要な意味を持つ。生まれてから真っ直ぐ軍人を目指してきたお前が戦場で確たる意志を持って戦い、生き残ることができれば…それは大きな希望になるんだ。」
そういう城井の表情は今までのような疎ましく思うものではなく、いつもの厳しいものでもなく、とても真摯なものだった。それを見て巧は自分の中で言葉に出来ない何かが固まるのを感じた。それはとてもあやふやな気持だったが、城井から託された大事なものだということは理解できたのだった。
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