第二十三話 異形その十四
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「我が名はいつまでん」
「まさかもう出て来るとはな」
魔物の姿を見ながらあらためて言う死神であった。
「貴様程の魔物が」
「我を褒めるというのか」
「少なくとも実力は知っているつもりだ」
それは、というのである。言葉は鋭いものであった。
「魔物としての貴様はな」
「そういうことか。それではだ」
魔物は死神の顔を見据えていた。そのうえで言葉を続けてきた。
「我の相手は貴様がいいな」
「私か」
「髑髏天使と戦うつもりだったがな」
こうも言いはする。ここで牧村の顔もちらりと見てもきたのだった。
「だが貴様の相手をするのも悪くないな」
「では私が相手をするとしよう」
彼等はこう言い合い睨み合いはじめた。そしてそれは牧村と黒人もであった。
両者は火花を散らしている。その緊張の中で黒人は言うのだった。
「貴様の相手は私ではない」
「俺と闘うつもりはまだないということか」
「貴様はまだ主天使だ」
彼の今の階級も踏まえての言葉であった。
「それでは貴様と闘うことはしない」
「そうか。それではだな」
「魔物は既に用意してある」
こう彼に対して告げてみせた。
「既にな」
「ではその魔物を見せてもらおう」
半ば挑発する声で黒人に対して述べた。
「貴様のその魔物をな」
「いいだろう」
牧村の言葉に応えるとだった。黒人の影が動いた。
そうしてそこから何かが出て来た。見ればそれは巨大な人の頭であった。人として大柄な黒人のそれに比して倍の大きさの巨大な頭であった。
「それが貴様が連れて来た魔物か」
「その通りだ。大頭という」
彼は牧村に告げた。
「覚えておくことだ」
「覚えておく」
魔神の言葉を受けたうえで述べる牧村だった。
「俺が倒した相手の一人としてな」
「かなりの自信家の様だな」
彼の今の言葉を聞いた魔物の言葉であった。それは重く低い、まさに地の底から響く様な言葉であった。それを出すのであった。
「今度の髑髏天使は」
「少なくとも自信はある」
こう返す牧村であった。今は髑髏天使としての言葉を出していた。
「貴様を倒すだけの自信はな」
「それは俺とて同じこと」
魔物もまたそうだと。言ってみせてきた。
「俺もまた貴様を倒すだけの力はある」
「その言葉は偽りではないな」
「俺は嘘を言わない」
また言葉を返す魔物だった。
「決してな」
「面白い。でははじめるとしよう」
牧村は正面からその言葉を受けた。それは一歩も引かないものであった。
その魔物との対峙を見てだった。黒人が横から言ってきた。
「では我は下がるとしよう」
「そうですね」
老人は彼のその言葉に応えた。
「邪魔者は下がるとしよう」
「髑髏天使よ」
黒人はその姿を少
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