SAO編
十二話 その男、強者にて
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「…………!?な……何を言ってるの!?」
シリカは言われた事の意味が分からず、混乱して声を上げたが、突然後ろにいたリョウがシリカを護るように前に出て来た。
「いやいや、出て来ていきなりそれは無いでしょうよお姉さん……いや」
そこでリョウは一度言葉を切る。
続いた言葉は、シリカの想像の斜め上を行くものだった。
「犯罪者《オレンジ》ギルド[タイタンズハンド]のリーダー。ロザリア……で、あってたか?」
その言葉を聞いた瞬間、ロザリアは眉をピクリと動かし、笑みが消えた。
オレンジギルド
SAO内において、システム上の犯罪を犯した者(主に、窃盗、傷害、そして殺人等)は通常緑色のカーソルの色がオレンジ色に変化する事から、犯罪者《オレンジプレイヤー》と呼ばれる。そしてその集団の事を、通称としてオレンジギルドと呼ぶのだ。
この知識はシリカ自身も知っていたがしかし、実際に遭遇したのは初めてだった。
──というか、眼前にいるロザリアのHPバーは間違いなく緑色だ。
シリカはリョウの事を見上げ、驚きでかすれた声で問う。
「え、でも……だって……ロザリアさんは……」
「残念ながら、オレンジギルド=全員がオレンジプレイヤー って方程式は今じゃ間違いなんだなこれが。グリーンの奴が街で獲物をみつくろって、パーティに紛れ込んで待ち伏せポイントに誘導。なんて、今じゃこういう連中の常套手段だ。覚えとけ。」
「あ、は、はい」
戸惑った答えを返すシリカに、リョウは「あ、そうだ」と更に続ける。
「昨日の立ち聞き野郎もあいつの仲間な」
「そ、そんな……」
愕然としながらシリカは再びロザリアを見やる。
「じゃ……じゃあ、この二週間同じパーティに居たのも……」
恐怖を抱いたシリカの顔に満足気で、そして毒々しい笑みをロザリアは浮かべると、楽しむように語り始めた。
曰く、あのパーティに居たのは戦力を図ると同時に冒険で金品が溜まるのを待つため立った事。
本当ならば今日にもあのパーティを襲撃する予定だった事。
一番の狙い目である獲物だった自分が抜けて迷っていた事。
そして、自分がレアアイテムである《プネウマの花》を取りに行く事を知って目標を自分達に変更した事まで。
何と言う事だろうか。
自分はもしかしたら……今日の今頃にはフィールドで襲撃され、身ぐるみをはがされて、あまつさえ殺されていたかもしれなかったのだ。
そう思い、シリカが背筋に冷たいものを感じていると……
「でも────」
一度言葉を切ったロザリアは、これまでの何処か喜々とした様子では無く、何処かおかしな物を見る様な目でリョウを見、肩をすくめた。
「そこのお兄さん、そこまで分かってながらノコノコその子に付き合うとか、馬鹿?それとも本当に体
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