SAO編
十二話 その男、強者にて
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愕然としている。その内、サブリーダーと思われる両手剣士が口を開いた
「そんなの……そんなのありかよ……。ムチャクチャじゃねぇかよ……」
「おいおい、今更それを言うかね」
睨みつけるような眼差しと共に放たれた言葉によって賊たちはまた数歩後ずさる。
「数字が変わるだけで理不尽なほど差が付く。こんなんレベル性のMMOじゃ常識だろ?っつーか寧ろ、お前らの中に一人でもいんのか?SAO以外のレベル性MMOで、レベルが自分より20以上も上のプレイヤーに勝てる奴」
力の入っていない口調とは裏腹に、段々と何処か威圧感を増して行くリョウの言葉に賊たちはついに橋の寸前まで後ずさる。徐々にその顔に浮かべられた表情が、恐怖のそれへと変わっていく……
「チッ」
と、不意にロザリアは舌打ちをすると同時に転移結晶を取り出し、空中へと掲げた。
「転────」
が、ロザリアが言えたのはそこまでだった。突然轟音と共に地面が揺れ、バランスを崩したロザリアは転んで転移結晶を取り落としたのだ。他の賊たちも次々に転倒するが、何故かシリカだけは揺れをそこまで感じなかった。せいぜい地鳴り程度だ。
そして揺れが収まった時、ロザリアの前には彼女が落とした転移結晶を持ったまま仁王立ちするリョウの姿が有った。
────
転移結晶を使おうとした女を視界の端に認めた次の瞬間、俺はスキル発動と共に思いっきり地面に足を叩きつけていた。
足技 範囲妨害スキル「大震脚」
ダメージは受けないが、一定範囲のモンスター及びパーティメンバー以外で一定条件を満たしていないプレイヤーを転倒させ、動きを封じると言う便利スキルだ。
「これは没収な」
俺はスキルの効果により転倒したロザリアが取り落とした転移結晶を拾い上げると、未だに地面に這いつくばってる女の服を掴んで持ちあげ、橋へと向かう。
「は……離せよ!どうする気だよ畜生!!」
「ターゲットを捕まえたのに離せと言われて離してやるほど俺はお人好しじゃねぇ。つーか喚くな、うるさいから。」
言いつつ俺は未だに棒立ちしている男たちのど真ん中にロザリアを投げ出し、袖の中を探って濃紺の結晶体を取り出す。
「これは俺の依頼人が全財産使って買った回廊結晶《コリドークリスタル》だ。出口は牢獄《ジェイル》内。あんたらは全員これに飛び込め。後は知らん。」
牢獄の管理は「軍」と呼ばれる、アインクラッド最大のギルドが行っている。俺は個人的に高圧的な公務員みたいな態度をした軍の連中は好かんのだが……一応囚人の管理はちゃんとしているらしい。(逃がすような事は無い的な意味で)
するとロザリアは、数秒唇をかんだ後に急に強気な笑みを浮かべた。
「もし、嫌だと言ったら?」
「なんだ、んなことか。別に、俺の懐
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