SAO編
十二話 その男、強者にて
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
武器ももう一度くるくるとまわして引っ込めてしまった。しかしその姿すら自信に満ちていて、後ろに居るシリカは微塵の不安も感じない。
しかしオレンジ達はそのリョウの様子を諦めととったのか、ロザリアともう一人のグリーンを除く九人の男たちは、狂ったような笑みを浮かべながら我先にと走り出し、短い橋をドカドカと駆け抜け──
「オラァァァ!」
「死ねやァァァ!!」
「ヒャッハーァ!」
顔を護るようにうつむいて立ち尽くしているリョウを半円形に取り囲むと、剣や槍の切っ先を次々にリョウの体へと叩き込み始めた──
────
突き込まれた槍と、振るわれた斧や剣がリョウの身体に届く瞬間、シリカは恐怖できつく目を閉じた。だが、聴こえたのはポリゴンが破損する時のガラスが砕けるような音ではなく、鉄の塊同士がぶつかった様な、鈍い金属音だった。
「え……?」
まさかと思い眼を開けると、そこにはリョウ向かって武器を構えたまま驚愕の表情を浮かべている賊たちと、先程と変わらぬ後姿で立っているリョウがいた。
ロザリアは、驚きのあまり眼を見開いている。
「な、なんだこいつ……」
「剣が弾かれて……」
賊たちがぶつぶつと何かを言っているが、よく聞き取れない。
だが、その内容はシリカにもおおよそ予想が付く。さっきの音から察するにそれは……
「こんの野郎ォ!」
先程叫んだ斧使いが再びリョウに切りかかるが、その刃がリョウの纏う浴衣に触れた瞬間、ギィン!と言う先程聞いた金属音と共に斧が弾かれ、斧使いは反動で尻餅を突く。
再び起こった出来事に、賊たちが冷や汗を浮かべているとリョウが挑発するように肩をすくめた。
「で?終了かい?」
「……っ!なめんなゴラァ!」
それに憤ったのか、今度は一人の髪を緑色に染めた片手剣使いがリョウに切りかかる……頭めがけて。
今度こそポリゴンの破損する音が響き、シリカは悲鳴を上げそうになるが。それが声となって口から出る事は無かった。
リョウが、頭のポリゴンが半分破損した状態で両手をぷらぷらと振ると言うなかなかにスプラッターかつ余裕丸出しな行動をしたため、安心と呆れで声は軽いため息となったのだ。
しかしそれはシリカの話、まったく攻撃の通じていない賊たちは再び数歩後ずさる。
やがて、攻撃意思を無くしたと判断したのか、リョウの方から口を開いた。
「と言う訳で、だ。俺の防具はあんたらの武器で傷が付く程やわな物じゃねぇんだわ。つーか今の頭に喰らったダメージからしても、多分あんたらじゃ防具なしで百年攻撃しても俺は倒せねえよ。俺は戦闘回復で十秒に付き875程HPを回復する。対しあのペースじゃ、俺に与えられるダメージはせいぜい十秒で300〜400行けばいい方なんじゃね?」
最早賊たちは驚愕を通り越して
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ