第二十三話 異形その五
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「そしてその力をじゃ」
「どれだけ有効に使えるかだな」
「それはもう学んでおるか」
牧村をじっと見ながら問うてきた。顔自体を彼に向けてそのうえで。
「どうじゃそれは」
「そのつもりだ」
これがその当人の返答だった。
「俺自身もそうしているつもりだ」
「そうか。それで何かわかったかのう」
「地の力はこれまでの力と明らかに違う」
まずはその主天使のあらたな力の性質から話すのだった。
「木の葉を出すこともできれば剣をダイアや石に変えることもできる」
「凄い技だよね」
「確かに」
「どちらかというと戦いを補助するものか」
こう分析する牧村だった。
「木の葉は手裏剣だがな」
「そうじゃな。主に補助になるかもしれんな」
博士もここまで話を聞いたうえでそうではと思うのだった。
「それはそれでいいことじゃ」
「いいことか」
「うむ、何も直接攻めるばかりではないじゃろう」
「その通りだ。これまでは火にしろ風にしろ水にしろだ」
「攻めるものばかりだったんだ」
「そういうことだね」
妖怪達もここでわかったのだった。
「攻める技がかなり頼りになってきたけれど」
「今はそうした補助も入って」
「これをどう使うかだ」
また言う牧村だった。
「これからはな」
「その通りじゃ。上手く使うことじゃ」
博士は言葉に念を入れてみせた。
「それについてはわしは何も言うことはない」
「あくまで俺の問題か」
「頭脳労働専門じゃ。そっちについては全く知らん」
完全な学究の徒である彼にはまさにそうであった。そうした戦いのことなぞ知る由もないことであったのだ。だから完全に彼に任せる形となっていた。
「力のことはわかったしのう」
「話はこれで終わりか」
「そうじゃな。それではじゃ」
話が終わると見るとだった。ろく子が皿を出してきた。そこにあったものは。
「メロンか」
「どうですか?」
四分の一程度に切ったメロンを牧村の前に差し出してきたのである。よく熟れた見事なライトグリーンのメロンであり銀色のスプーンも一緒である。
「お一つ」
「では貰おうか」
甘いものが好きな彼である。受け取らない筈がなかった。実際にメロンを手に取って左手に持ったうえで右手のスプーンで食べはじめた。するとメロンの独特のまったりとしながらそれでいてくどくもある甘さが口の中を完全に覆ってしまったのであった。
「美味いかのう」
「美味い」
食べながら博士の問いに答える。
「やはりメロンはいいものだ」
「喜んでくれて何よりじゃ。わしはメロンが大好物でのう」
「甘いものなら何だっていいじゃない」
「そうそう、博士ってね」
今言った博士に対していつも通り突込みを入れる妖怪達であった。見れば彼等もそれぞれメロンを
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