第二十三話 異形その二
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「つまりはそういうことだな」
「はい、そうです」
また答えた老人だった。
「それが我々の無上の喜びであった筈ですが」
「ええ。それはね」
「その通りだ」
女と男はその通りだと老人のその言葉に対して述べた。
「私達は戦いたくて仕方がないからこそ魔物になった」
「妖怪達から抜けてな」
「妖怪は楽しみを求めるものです」
老人はその本来の自分達についても知っていた。知らない筈もないことだった。何しろかつての自分達のことなのであるからだ。
「私達はそれが戦いであったが為に神々に疎まれ」
「髑髏天使を向けられることになった」
青年が言った。
「その我等の戦いによる害をなくす為にな」
「神々は心配性です」
老人は彼等について口元だけで笑ってみせて述べたのだった。
「私達は人間にもこの世の摂理にも何の興味もないというのに」
「魔神という名前が気に入らないとでもいうのか」
紳士は自分達のその名前について考えを及ばせていた。
「だからだというのか」
「そうかも知れないね」
子供は紳士のその言葉に応える。
「あの人達ってさ。邪神とか魔神ってレッテル付けてすぐに動くしね」
「邪神ですか」
老人は自分達とは違うその存在に対してふと考えを巡らせたうえで言葉を出した。
「そういえばです」
「どうかしたのか?」
「太古にそうした存在の中でもとりわけおぞましい者達がいたと聞いていますが」
「おぞましいのかよ」
ロッカーはそのおぞましいという言葉に眉を顰めさせた。
「俺達はただ戦えればいいだけだからな。髑髏天使がその相手をしているだけでな」
「我々の闘争心が最も激しくなる五十年に一度のその時に」
その時にこそ髑髏天使が姿を現わすのである。そうしてその魔物達と戦いそのうえで倒す。それが髑髏天使の存在意義なのである。
「この世に出てです」
「その他の時も適当に腕に自信のある人間とか妖怪やあちこちの神様の手の連中と楽しくやってるけれどね」
子供はここで魔物の普段のことを述べたのだった。
「それでも。今はね」
「その五十年に一度です」
ここでまた言う老人だった。
「お祭の時です」
「髑髏天使と我々の」
「その祭の時」
「そしてそのお祭に」
老人はその言葉をさらに楽しげなものにさせて述べてきた。
「また一人戻って来られます」
「また一人か」
「今度は誰かしら」
「どうやらアフリカからですが」
男と女に対して出してきたのはこの地であった。
「アフリカから来られます」
「アフリカから」
「というと」
その二人はアフリカと聞いてそれぞれの目を光らせた。そうしてそのうえで老人に対して問うのであった。
「北かしら。それとも」
「南か。どちらだ」
「そこまではまだわかり
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