第二十二話 主天その二十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「私はな」
「こうした術は持っていなかった筈だが」
「持っていないならば学べばいいだけだ」
こう言う死神だった。
「そして身に着ければな」
「どうやら貴様は見た術を身に着けられるようだな」
「如何にも」
ここで種明かしもしてみせたのだった。
「私は見る度、戦う度に強くなれるのだ」
「そうして相手の技を身に着けてか」
「貴様の術も貰っておこうか」
またしても声だけがした。
「この闘いでな」
「言っておくが俺様の術は安くはない」
死神の姿は見えないがそれでも冷静さを失ってはいなかった。
「それを今見せてやろう」
するとだった。魔物もまた姿を消した。まるで煙の様に姿を消したのであった。
「消えたというのか」
「消えたと思うのなら思えばいい」
彼もまた声だけが聞こえるのだった。
「そのようにな」
「そうか」
だがここで死神の声が頷くのだった。
「そういうことだな。それではだ」
死神はここで姿を現わしたのだった。
「こうすればいいだけだ」
こう言って姿を現わすのだった。彼は今カップの一つの上に浮かぶようにして立っていた。
「こうすればな」
「出て来てどうするつもりだ」
「すぐにわかる」
答えはしなかった。
「貴様の死によってな」
「何を考えているかわからぬが」
魔物の今の声は嘲笑の声であった。
「それで俺様を倒せるというのか。姿を出したうえで」
「倒せると言えばどうする?」
「戯言だな」
一言でまた嘲笑してみせた魔物であった。
「所詮な。それは嘲笑だ」
「では攻撃してくるのだ」
その嘲笑を軽く返す死神だった。
「そうすればわかる」
「ではわかってやろう」
魔物の今の言葉は自信そのものであった。
「こうしてな」
その時だった。死神の足元の影が動いた。そうしてそこから魔物が姿を現わしたのであった。
「その影、貰った」
その言葉と共に攻撃を仕掛ける。しかしだった。
死神はまた姿を消した。そうして一瞬のうちに攻撃を繰り出す為に姿を現わしていた魔物の背中に出て来ていて。今鎌を振るったのである。
鎌は背中を斬りそれが決め手となった。魔物は背中を切られそれで倒されたのだった。
「うぐっ・・・・・・」
「勝負あったな」
死神はその背を切った相手に対して言った。
「これで決まりだな」
「まさかそう来たとはな」
魔物も切られていたがまだ生きてはいた。それで彼の方に向き直って言うのだった。
「後ろに出て来たか」
「こうした戦い方もある」
死神はまた言ってみせた。
「奇襲と言うべきか」
「そうだな。確かにな」
魔物も彼のその言葉に頷いてみせた。既にその身体には赤い炎が起こってきている。
「見事な奇襲だった」
「だが貴様が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ